89 / 138
第89話
「じゃあさ…俺が…どん底に落ちていたとき夢に中に現れたのは…」
「夢の中?どんな話しした?」
「あの日俺は…医師に宣告されていた。もう二度とバスケはできないって。そしたら自分の生きる意味がわからなくなった。なんのために頑張ってきたのかわからなくなった…もう…生を諦めようとしていたんだ…その時さ、夢を見たんだ。「理苑…諦めないで…目が覚めたらきっと素敵なことが待ち受けているから…諦めないで…」そう語りかけてくる夢を見た。その後すぐにソラの姿になって俺は…目を冷ましたけど…その前は人型だったんだ…名前を聞いたけど俺聞き取れなくて」
「…あぁ…うん。俺…話しした…」
「あれは天だったのか?…あぁ!もう!ソラか天かごちゃごちゃなる…からお前のことは今は…テンって呼んでいい?」
「いいよ」
「テン。あのときはありがとう…あのあと俺不思議と体が軽くなって…そして今があるんだ…」
「…そこに導いてくれたのはソラだよ。ソラがついてこいって言わんばかりに俺のとこに来たんだ。ソラについていったら理苑が…そこに蹲ってて俺…」
「やっぱり…ソラも一緒だったんだ。俺何度も助けられてんだな…」
「ソラはすごい子だったね」
「うん…あーやべぇ…泣きそう」
「俺の胸貸そうか?ほら」
そういうと両手を広げた天の側に行き抱きしめる
「理苑。きっとソラは喜んでいるね。安心したから最近は俺とは会えないのかもね。よかったね。理苑」
「うん…」
俺の背中を擦りながら優しく語りかける
その声が心地よい。琉に似てるからじゃない…きっと…
「天…好きだ」
「うん。俺も好きだよ」
「そういう意味じゃねぇよ」
そういうととんと天を押し倒す。そして二度目のキスをした
「理苑…」
「甘えさせて?」
ともだちにシェアしよう!