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第105話
レオSide
戻ってきたらリオンと天が話している姿に遭遇した。
二人は俺には気付いていないようだ。駄目だとわかりながらその場にとどまり聞き耳を立てていた
「…理苑…」
「天…会いたかった…」
「…俺は…会いたくなかった。」
「俺…なにかした?」
リオンはこれまで見せたことのないような何とも言えない表情になり迷い子のようにゆっくりと拙い感じで話してた
天のことが本当に大好きでたまらないんだと思う。俺の入る隙はどこにもない…
これ以上聞けなくて立ち去ろうとしたけれど次の天の言葉に足を止めた
「ううん。俺が身勝手なだけだよ。俺ねセックス大好きなの。特に初めての人食うの好き。だから利用させてもらったんだぁ。そゆことだから。じゃあね」
話に聞いていた印象と随分と違う天。こんなにもリオンに愛されているのに…どうして…
「天!迎えに来たよ」
「あぁ!彼氏きたから!またね!」
「え…」
そういうと来た男の腕に絡みつきキスをして歩き出す
「…どういうこと?」
二人は仲睦まじそうに寄り添っていた…けれど…さっきリオンに見せていた表情とは全く違う表情の天が小さく震えながら相手の腕を強く掴んでいたことを俺は見逃さなかった。
「なぁ…天」
「ん…」
「本当にあれで良かったの?」
「…いいの…俺がそういう奴って思う方が琉に迷惑にならないと思うんだ」
「まだ好きなくせにわざわざ自分を落とす意味がわからないんだけど…理苑だって天のことを思っているように見えたよ。それに…あぁすることって琉と…自分は全く違う人間だってわからせたいようにも見える。そこまでして自分を見て欲しいのに何で?」
諦める?じゃあ…まだ…リオンのこと思って…では…どうしてなのか?
「…理苑にはもう素敵なパートナーがいたし…俺は…琉にはなれないから」
今にも泣き出しそうな顔で男の腕を強く握り直す。
…琉のことはリオンから何度も聞いていたしメディアでも多く取り上げられているから知ってる。頻繁に連絡を取り合ってる相手があの琉で同じ施設で育ったということも聞いていた。琉は双子の兄弟がいる事は世界が知ってること。まさかその相手が天だなんて…
このまま知らないふりをすれば弱った理苑は…もしかしたらこのまま俺のものになってくれるのかもしれない…
リオンを初めてみた瞬間俺は一目惚れをした。
日本人にしてはしっかりした体格と屈託ない笑顔は直ぐに俺の心を掴んだのだ
そのリオンが初めてゲイだと知ったときはそれはそれは驚いた。
だいたいお仲間はわかるようなもんだがリオンだけは気付かなったのだ
リオンが立ち去るのを見送り天たちを追った
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