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第109話
レオSide
昇龍さんに場所を教えてもらって由良とある一室へ向かうとそこには必死で理苑を呼ぶ天がいた。
「理苑…俺っ!…理苑…理苑…」
その姿を静かに見つめてた。ほら。天。君には理苑が必要で理苑にも君が必要なんだ…だから…頼む…自分の気持ちに正直になって…
ぎゅっと拳を握ると俺より体温の低い由良がその拳を包み込んでくれた
「由良…」
「レオ…大丈夫…大丈夫だよ…天は本当は…強いはずなのだから…」
握っていた拳を緩め由良と指を絡め、手を握る
由良もまた震えていたから…その震えは色々な感情が籠もっているのはわかる。俺も同じだから…
「そうだな。」
俺たちは手を握り合いながら救急車の到着を静かに待ち見送った
「理苑…帰ってこい…みんなのヒーローとして…」
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