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第111話

「天…」 あの場所から立ち去りかつて俺が使っていた今は空き部屋になっている場所へきた。あの場所に立ち続け天とあの男の睦まじい姿を見ていたら大声で泣き叫びそうだったから。さざなみの人にそんな姿は見せられない… 窓からはぼんやりと月の光に照らされたあの頃と変わらない大きな木が見える 「ソラ…俺…天のこと諦めきれないよ…俺…どうしたらいい?」 その時ふっと意識が途切れた 天が側にいないなら俺は生きている意味がない…もう…疲れた… 天…天…好きだ…どうしようもなく… 遠くで俺を呼ぶ声が聞こえるけれど返事もできない …天…俺のもとに戻ってきてよ…天…天…

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