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第115話

「よぉ。ソラ。久しぶりだな」 暗闇の中ぼんやり光る場所にソラが横になってた。 隣に行って背中を撫でると迷惑そうに振り返った。 「なんだよ。お前はいつも俺だけに冷たいなぁ」 「にゃ…」 「なぁ。ソラ…俺もそっち行っていいかな?」 もう…戻りたくない…俺は…やっぱりいらない人間だった… 俺がいないところで誰も困りはしない…誰にも必要とされない…多分俺という存在が間違ってたんだよな… 「ソラ…」 ソラはきっと俺を見上げると引っ掻いた  「ってぇ…っにっ…すんだよぉ…」 ソラは俺を促すように上を見上げた 「へ?」 「…聞こえてる…?理苑…理苑…」 細い光の筋がソラを照らしててそこの始まりから優しい声が聞こえた 「理苑」 その声は次第にはっきりしてきて…光の筋が形を変えた 「理苑」 「お母さん…」 「理苑。あなたはまだこちらへ来てはだめよ。戻りなさい。あなたを必要としている人がたくさんいる。ちゃんと聞いてご覧なさい…」 言われて目を閉じ、耳を傾けると。いくつもの俺を呼ぶ声が聞こえていた 「俺…いらない存在…」 「違うわ。あなたはとても立派な人間。みんなに愛されているの。みんなを…誰よりも愛しい人を信じてあげなさい。あなたなら大丈夫よ。私はそう確信している」 「ねぇ。お母さん。俺が愛した人はもう既に他の人のものだよ…俺は…捨てられた」 「しっかり会話したの?」 「話もちゃんとしてもらえない」 「きっと理由があるはずよ」 「他に恋人ができたんだって。凄く幸せそうだった」 「あら?そうかしら?ほらよく聞いてご覧」 『理苑…大好きだよ…ごめん…ちゃんと話さなくてごめん…俺の本当の思い…伝えたい…お願い…目を開けて…理苑…理苑…』 その時唇が暖かくなる… 「ん…」 「時間よ。お行きなさい」 その言葉を最後にあたりがまばゆい光に照らされた。そして目を開けると ボロボロと涙を流す君がいた

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