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第116話

「…天」 「理苑…」 どちらともなく手を伸ばし抱きしめ合った 「心配させた?ごめんね」 「心配するよ!何日眠ってたと思ってるの!?一週間!一週間だよ!…声…ガラガラだね…あんまり無理して話さなくていいよ」 確かにうまく言葉が出なくてしんどい。頷いてもう一度天を抱きしめた 「今お医者さん呼ぶね」 直ぐに医師がやってきた 「久しぶり。理苑くん」 「あ!けほっ…けほっ…」 「俺に大口叩いて出ていったのに無様だねぇ」 先生…キャラ変わってるし… 「君のお陰で引く手数多でね。猫被るの面倒になって」 何それ 「顔に全部出てるよ。素直だね。君は」 「…」   「おや?照れてるのかい?」 「ちがっ!…」 「理苑くん。おかえりなさい」 医者はそう言ってふわりと笑う。目に涙を浮かべながら

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