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第133話

「驚かせちゃってごめんなさい。」 「そらさん。俺たちのこと反対してたんじゃ…」 「…うーん…確かに驚いたわ。けれど琉の大切な人だもの気持ち悪いなんて思わなかったわ。本当のこと言っちゃうとねあまり理解できないの。でも二人ならなんだか嬉しくなっちゃって。理苑くんの相手があなたでとても嬉しいよ。天くん」 「なんだか更に男に磨きがかかったんじゃないかい?理苑くん。」 「多岐川さん…ありがとうございます。でもあなたも…あまり…同性愛には…」 「…いや。そうでもないんだよ。そらには伝えていないけれど私がこの人生で本当に愛した唯一の人は…実は同性だったんだよ。そらにはそういうのは絶対認めるなと言い続けてきたのだけれど…」 「えっ!?」 「私が独り身だったのはそれがあったからさ。」 「そうなの?」 「そらはそんな私は嫌かい?」 「…ううん!なんだぁ…だから私を引き取れたのね。ここまで育ててくれた人だもの。感謝しかないわ」 「私はね元はノーマルだ。けれどその人と出会い考え方が変わり今に至るのだけれど…同性というだけで虐げられていた人たちとも多く出会ったしそれを擁護したことで…命を落とした人とともに過ごしていたこともある…まぁ。それが私の愛した人なのだけれどね。それから…同性愛を擁護する事が恐ろしくなってね…そらには…その…まぁ…」 「お義父さん…うん…わかってるよ。私も亡くなったところには遭遇したことはないけれど…虐げられた人は見たことがあるもの…私を守るためだったのね。」 多岐川さんにそんな過去があることは知らなかった。 「だからといってはおかしいかもしれないけど…君たちには幸せになってもらいたいのだよ…幸せにできなかった私の分まで…だから…お邪魔になるかもしれないが祝わせてくれないかい?君たちの…門出を…」 「はい!ありがとうございます!!」

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