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第134話
今日が自分の誕生日ということをすっかり忘れていた。
天とのことを琉や琉の大切な人に認めてもらえたこともとても嬉しくて多岐川さんが用意してくれた豪華な料理とケーキを一緒にいただいた。
大勢で食事を摂ることはやはりいいものだなってしみじみ思っていた
「理苑。これ。プレゼント」
琉がくれた包には俺の好きなスポーツブランドのロゴが入っていた。
「開けていいか?」
「いいよ」
中にはタオルとパーカーが入ってた。
「すげー!!これ俺欲しかったやつだ!ありがとうな!」
「たくさんあっても困らないかなぁって思って。喜んでくれたようならよかった。普段遣いでもしてやってよ」
「…理苑くん。これは私とお義父さんから。何がいいかわかんなくて」
中からはカラフルなリストバンドとヘアバンドが出てきた。
「ありがとうございます!使わせてもらいます!助かります!」
「よかった…」
プレゼントももらって暫くして彼らは帰っていった。
誕生日なんてすっかり忘れていたのにこんなにたくさん準備してくれて本当に嬉しかった。配達されてきた料理も全てうまくてあっという間になくなって久しぶりにお祝いしてもらえたことを子供みたいにはしゃいでしまった。機嫌のいい俺を天がクイッと引き寄せる
「理苑」
「天。ありがとうな。俺と一緒にいてくれて」
「こちらこそありがと…あの…ちょっと待ってて」
そういって席を立ち少しして戻ってきた天の手には小さな箱があった
「お誕生日おめでとう」
照れくさそうに俯きながら天が笑う
「開けていい?」
「ん…」
中にはシルバーのネックレスが入ってた。プレートには不思議なデザインが入っていて裏には刻印があった。
I hope you will be happy forever.
「…ありがと…天がいてくれれば俺はずっと幸せだよ…ありがとうね…」
「理苑。生まれてきてくれてありがとう…俺を選んでくれてありがとう…ねぇ…理苑の誕生日だけど…わがまま…言っていい?」
「うん」
「俺だけを…見て?」
真っ赤になりながらまっすぐに俺を見つめて祈るように呟く天があまりにもきれいで…ぎゅっと抱きしめた…
「お前も…俺だけを見てて…」
「うん…理苑…理苑大好きだよ」
「あーーーーーーーー!!!!」
「えっ!?」
「ねぇ!天!可愛すぎ…大好きだよ…愛してる…お前だけを…ずっとずっと…」
「ありがとう…あのね、あの…これ…」
天が自分の胸元からキラリと光るものを取り出した
「これ…」
「理苑のそれと…2つでひとつなんだ…」
「まじか…」
「やだ?」
「いやなわけねぇだろ…嬉しすぎる…」
「よかった…ねぇ。理苑。俺ね、また不安になったりすることがたくさんあるかもしれない…けど…俺の理苑への…想いに偽りなんて無いから…だから…不安になったら抱きしめてくれる?」
「当たり前だろ。俺たちは二人で一人前なんだ。どちらかが欠けたら…だめでしょ?」
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