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第11話 出会い ② ー伊吹sideー

蒼はいつも余裕で、俺はいつもそんな蒼に振り回される。 そんな事を思いながら、伊吹は誰に見せるでもなく、ぷーっと頬を膨らませた。 本屋に着いた伊吹と蒼は、各自、欲しい本を探しに別々に行動することにした。 だいたい蒼は俺を振り回すのが好きなんだ。 だから、さっきだってあんなと言うし… 俺だって大学生だし、いい年だから、そういう話も大丈夫っていいたいんだけど恥ずかしくなってしまうのは仕方ないじゃん。 しかも『繋がってる時は積極的』だなんて‼︎ 恥ずかしくて、最中もう蒼の顔見れなくなるじゃん‼︎ 俺、蒼が俺に覆いかぶさりながら、俺を見る瞳がたまらなく好きなのに…… も〜、蒼のバカ‼︎ ッバシ‼︎ 伊吹は曲がり角で長身でイケメンな男性とぶつかり、男性が持っていた本が地面に落ちた。 「‼︎すみません!」 伊吹は男性に謝ると、急いで落としてしまった本を拾い上げる。 「こちらこそ、すみません。お怪我はないですか?」 伊吹の事を心配しつつ男性は、落とした本を拾い上げた。 「いえ、俺は大丈夫です」 拾った本を息吹は男性に渡そうとした時、本の題名と作家の名前が見えた。 あ!この作家さん、マイナーなのに。 「この作家さん、お好きなんですか?俺、大好きなんです!」 この同じ作家が好きだという人に、あまり会ったことがなかった伊吹は嬉しくなり、声が大きくなった。 「ええ。あまり知られていないんですが、とても素敵な作品を出されていますよね」 対照的に男性は落ち着いている。 あ…一人テンション上がってしまってた…… 恥ずかしさで伊吹が俯いてしまうと、

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