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第13話 ヒートとラット ① ー伊吹sideー

「伊吹、こんなところにいたの?探したよ」 「あ、蒼」 後ろから葵の声がし、伊吹は笑顔で振り返り、蒼が伊吹の側までくると、 「…蒼?」 先ほどいた男の子が蒼に声をかけ、 「…柚?」 蒼は驚いたように、柚を見つめた。 「え‼︎本当に蒼?久しぶり!…あ、彼、東 蒼くん。俺の中学の時の同級生」 柚は隣にいた孝司を見上げて、嬉しそうに言った。  「はじめまして。堀内孝司です」 孝司は蒼に手を差し出しすと、 「はじめまして。東 蒼です」 蒼はその手を握る。 「ねぇねぇ、蒼。俺にも彼の事、紹介してよ」 孝司の隣で、柚が待ち遠しそうにジャンプをした。 「彼は寺前伊吹。伊吹、彼は南部 柚(みなみべ ゆず)。こう見えて俺たちと同い年」 蒼は悪戯っぽく微笑んだ。 同級生⁉︎ 年下だと思ってた… すごく若く見えて…可愛い。 「蒼、こう見えては余計だよ。はじめまして。南部 柚です。よろしくね」 柚は可愛く蒼を睨んだ後、伊吹の手を取り微笑んだ。 可愛すぎて、照れる。 「は、はじめまして。寺前伊吹です」 伊吹は柚の可愛さにやられ照れてしまい、他の言葉が思い浮かばない。 どうしよう。 何か言わないと…… 「ねぇ孝司、こんな偶然めったにないから、今からみんなでお茶しない?」 甘えたように柚が孝司をみあげると、 「そうしようか」 と、孝司が微笑む。 「やったー‼︎ね、蒼、一緒に行こうよ。いいでしょ?」 「あ…うん」 蒼は先ほどとは打って変わって、歯切れの悪い返事をした。 ん? どうしたんだろう…… どこからか甘い香りがしてきた。 伊吹が疑問に思っていると、

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