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第14話 ヒートとラット ② ー伊吹sideー

「やったー‼︎決まりだね‼︎」 喜んだ柚が蒼の手を握ったとたん、 !!!!!!!! ブアー!!と甘い香りが放出されたかと思うと、伊吹の体内で何かが、ドクンッ‼︎と脈打った。 なにこの甘い香… あ!!  もしかして!! 咄嗟に伊吹が柚の方を見ると、 !!!! やっぱり!! 胸を抑えてうずくまった柚から、大量の甘い香りが放たれていた。 ヒートだ‼︎ しかもすごい量の香…… ベータの俺でもクラクラする…… っあ‼︎ 蒼!! 伊吹が蒼の方をみると、 「蒼‼︎」 あのいつも冷静な蒼が、理性を保とうと顔を歪め、奥歯を噛みしめ、もがくように胸元の服を握りしめていた。 「……っして…」 蒼が喉の奥から絞り出すような言葉を発した。 「え⁉︎」 「俺の鞄から、薬出して!!」 ‼︎‼︎ 伊吹は初めて大声で怒鳴る蒼に驚いたが、すぐに蒼の鞄から緊急ラット抑制剤をとりだすと、蒼に差し出す。 蒼はそれを奪い取ると、震えるてで薬を量など気にせず口に運び、そのまま飲み干した。 あんなに沢山の薬飲んだら‼︎ 急に薬が効き出したのか、蒼がよろめいた。 「蒼‼︎」 倒れそうになる蒼を、伊吹は全身で支えるが、体格が違いすぎて伊吹自身もよろけ… このままじゃ、蒼と一緒に倒れてしまう‼︎ バランスを崩した伊吹が倒れそうになった時、 パシッ 伊吹は腕を掴まれた。

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