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第36話 突然の電話 ① ー伊吹sideー
今日は蒼が料理の当番で、伊吹が掃除、洗濯の当番。
昼ご飯を蒼が作っている最中に、蒼の携帯が鳴った。
「蒼〜。電話〜」
チャーハンを作っている蒼は手が離せないのか、
「伊吹、電話に出て」
「はーい」
伊吹は蒼はお互い手が離せない時は、電話に出てもらっていたので、伊吹は特に疑問に思わず携帯の画面を見た。
ん?登録してない番号からだ。
「蒼、登録してない番号からの電話だけど、どうする?」
「んーーん……。誰か携帯変えたかもしれないから、一応出てて」
蒼は少し考えてから、もう一度伊吹に電話に出てもらうように頼んだ。
「了解」
伊吹が通話をタップする。
「もしもし、蒼?」
そこからは聞き覚えがない声が聞こえてきた。
蒼の名前を知ってたから、間違い電話では無さそう。
「蒼の電話ですが、今、手が離せないみたいで…。後でかけ直すように言っておきますか?」
「‼︎」
電話の向こうで息を飲む気配がし、それから
「いえ、それは大丈夫です……」
電話の向こうの相手は何か言いにくそうだ。
「じゃあ、お名前だけでも…」
伊吹は相手が警戒しないように、優しい口調で話した。
「柚です」
「‼︎」
柚って、あの柚くん⁉︎
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