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第42話 ーー突然の電話 ③ 蒼sideーー
ピリリリリリ
ピリリリリリ
蒼の携帯が鳴った。
相手はアドレスに登録のない番号。
もしかして柚?
「もしもし」
『もしもし蒼?柚だけど今大丈夫』
「あ、柚、どうした?」
柚の話し方からして、緊急性はなさそうだが折り返しの電話までの時間が短いな。
『ちょっと孝司…彼の相談したい事があって…。今から会えない?』
「……」
『急でごめん。でも蒼にしか相談できないんだ…。ダメかな?』
「わかった…」
『よかった。…でもこの事、伊吹くんには秘密にしてほしいんだ…。理由は後でちゃんと説明するから…』
伊吹には秘密?
そんな事はしたくないな…
『どうしても秘密にして欲しいんだ。この電話の内容も…」
柚の切実な声がした。
……。
そこまで言うなら…
「ちょっと待って…」
蒼は少し困った顔で伊吹を見てから、隣の部屋に移動した。
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