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第105話 ーー『α、Ω適応検査』 ② 蒼sideーー

いつもならラット抑制剤を飲むぐらいだ。 体が燃えるように熱い。 理性が飛びそうだ… ダメだ‼︎ ダメだ‼︎ ダメだ‼︎ 伊吹のためだ‼︎ 伊吹の治療のため‼︎ 伊吹の体を守るため‼︎ 蒼は手をグッと握りしめ、めいいっぱい拳に力を入れた。 大きく深呼吸をし落ち着かせようとするが、吐く息でさえ熱い。 それでも懸命に耐える。 全ては伊吹のために… 蒼がラット誘発剤を打たれてから3分が経った頃、部屋のドアが開けられ、勇気が部屋に入ってきた。 「蒼くん採血するね」 そういうと、手際よく採血をし、蒼にラット抑制剤を渡す。 「これは普通の抑制剤より強いから、強いラット時でもすぐに効き目が出ると思う」 「ありがとう…ございます…」 薬を受け取る蒼の手は震えていた。 「検査は院内で行うから、結果は夕方には出るよ。それまでは院内でゆっくりしておくといい。伊吹くんと蒼くんの体調が安定したら会えるよう、手配しておくよ」 そういうと勇気は、 「よく頑張ったね」 蒼の頭を優しく撫で、部屋を出て行った。

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