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第111話 ー伊吹の話と蒼の話 ② 伊吹sideー

「この枝豆だと、朝、昼、晩、三食枝豆でもいいぐらいです‼︎あ、でもこの時『蒼が茹でてくれた枝豆』に限ります!」 「へ〜。蒼くん、上手なんだ」 「物凄く上手ですよ。茹で上がりの硬さとか、塩加減とか…。絶品です!」 「…」 「あと、蒼はなんでも上手に出来るんです‼︎料理作ってくれたら、お箸が止まらなくなるし、他の家事だって完璧‼︎勉強もスポーツも、ゲームだって…とにかく、何でも完璧なんです!あ、因みに好きな飲み物は紅茶です。どうやら好きな茶葉があるみたいで、家に沢山紅茶の茶葉の種類があって、それで淹れてくれるミルクティーが美味しくて……。‼︎‼︎」 マシンガンの様に話し続ける伊吹のを、ニコニコと微笑みながら見つめる勇気の姿を見て、伊吹は我に返った。 ‼︎‼︎ は、恥ずかしい‼︎ 「蒼くんの事、大好きなんだね」 顔を真っ赤にして俯く伊吹の顔を、勇気は覗き込むと、 「…はい…」 恥ずかしさのあまり、か細い声で答えた伊吹の頭からは、ぷしゅーっと湯気が出そうだ。 「大事にしなよ。その蒼くんのことが大好きな気持ちも、伊吹くん自身のことも。相手のことを思うことも大事だけど、それで自分の気持ちを殺してしまわないようにな」 勇気が、また伊吹の頭を撫でると、 「はい‼︎」 下を向いていた伊吹が顔を上げ、元気に返事をした。

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