111 / 194

第113話 ー蒼の告白 ② 伊吹sideー

ーートントントンーー 伊吹が点滴と睨めっこをしていると、部屋のドアを誰かがノックする音がした。 ノックの相手が蒼だったらいいな。 そんな事を思いながら、 「はい、どうぞ」 元気に伊吹が返事をすると、スライド式のドアが勢いよく開けられ… 「伊吹‼︎」 蒼は伊吹に駆け寄り、ぎゅっと伊吹を抱きしめた。 「伊吹、大丈夫か⁉︎痛いところとかない?苦しかったり、しんどかったりしないか?何かして欲しい事ない?なんでも言って欲しい」 伊吹を見つめる蒼の目には、涙が溜まっていた。 「痛いところないし、しんどくもないよ。それより早く蒼に会いたかった…」 その言葉を聞いた蒼は伊吹を再びキツく抱きしめた腕が、少し震えていたのを伊吹は感じた。

ともだちにシェアしよう!