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第121話 注意点 ②
「さっき話したように、伊吹くんの子宮の大きさとフェロモンの量は比例してなくて、今、凄く不安定なんだ」
「はい」
「だから、伊吹くんと行為をした時、絶対に頸を噛まないで欲しい」
「‼︎」
「‼︎」
伊吹と蒼は一瞬、反応に困った。
「わかりました。でも、それはどうしてなんですか?伊吹の体に、まだ何かあるんですか…」
蒼は不安な気持ちをぐっと堪える。
「今の伊吹くんに問題があるんじゃないんだ。ただ、もし子宮がきちんと成熟する前に頸を噛んでしまうと、ホルモンバランスが崩れ、そこで子宮の成長は止まってしまてね。もし誰かと番になったとしても、番以外には反応しないはずのフェロモンが他のアルファにも反応してしまう。それに体への負担はかなり大きくなってしまうんだ」
「…」
「だから絶対に頸は噛まない事と、24時間、このチョーカーをつけっぱなしにして欲しい」
そういうと、勇気は伊吹にチョーカーを渡す。
「そのチョーカー、医療用で頑丈だから少々の事では壊れないし、頑丈なんだよ。これ付けたら、今日の診察は終わり。家でゆっくり休んで、また3日後、詳しい治療方法を決めたいから、蒼くんも伊吹くんも保護者の方ときて欲しい」
勇気が伊吹と蒼を見ると、瑆が伊吹と蒼の手を取り、
「みんなで一緒に頑張っていこう」
優しく微笑んだ。
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