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第126話 南部 柚 ③
「柚、この大きなお家はね、清美先生や沢山の先生、柚と同じぐらいのお友達や、今は学校に行ってていないけど、沢山のお兄さんお姉さんがいて、柚も一緒に遊べるそうよ」
「お友達がたくさんいるの?遊べるの?」
1人でしか遊んだことのなかった柚は、友達と遊べる事が楽しみとでもいうように喜ぶ。
「そうよ、毎日沢山遊べるわ。それに先生達も沢山優しくしてくださる。だからね、柚。先生にご挨拶しないとね」
母親は目に涙を溜め、小さな柚の手を握る。
「はじめまして、南部 柚、5歳です。よろしくお願いします」
大きな声で柚が言うと、
「まぁ柚くん!ご挨拶が上手ね。先生びっくりしちゃった!」
清美が柚の頭を撫でると、恥ずかしそうに柚が笑った。
「柚、お母さんのお仕事が忙しくなって、柚とは一緒に暮らせなくなってしまったの。だから今日から清美先生や沢山の優しい先生、お友達とここで暮らすのよ」
「え‼︎お母さんと一緒じゃないの?そんなの嫌だよ‼︎お母さんと一緒がいい。お母さんと一緒がいい‼︎」
さっきまでの笑顔がなかったかのように、今にも柚は泣き出しそうになっている。
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