125 / 194
第127話 南部 柚 ④
「お母さんも柚と一緒がいい。でもね、お母さんのお仕事、夜遅くまでで、お母さんがいない間、柚を守ってあげられないの。だからお願い柚。お母さんが柚を守ってあげられるようになるまで、新しいお家で待ってて…」
「……そんなの嫌だよ!」
柚が叫ぶと、母親は柚を引き寄せると、
「柚、必ず迎えに来るから…。だから先生の話を聞いて、お友達とも仲良くするのよ…。愛してるわ、柚…」
頬を伝う涙が柚に見えないように、母親は震える手で柚を抱きしめた。
「……うん。ぼく、いい子で待ってる‼︎お母さんに『頑張ったね』って言ってもらえるように、ぼく頑張る!だからお母さん…泣かないで」
「‼︎‼︎」
柚は母親の頬を伝う涙を拭う。
「そうね‼︎お母さん、もう泣かないわ。柚が頑張るんだから、お母さん、もっと頑張らなくっちゃね!」
そういうと、柚の頬に優しくキスをした。
ともだちにシェアしよう!