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第127話 南部 柚 ④

「お母さんも柚と一緒がいい。でもね、お母さんのお仕事、夜遅くまでで、お母さんがいない間、柚を守ってあげられないの。だからお願い柚。お母さんが柚を守ってあげられるようになるまで、新しいお家で待ってて…」 「……そんなの嫌だよ!」 柚が叫ぶと、母親は柚を引き寄せると、 「柚、必ず迎えに来るから…。だから先生の話を聞いて、お友達とも仲良くするのよ…。愛してるわ、柚…」 頬を伝う涙が柚に見えないように、母親は震える手で柚を抱きしめた。 「……うん。ぼく、いい子で待ってる‼︎お母さんに『頑張ったね』って言ってもらえるように、ぼく頑張る!だからお母さん…泣かないで」 「‼︎‼︎」 柚は母親の頬を伝う涙を拭う。 「そうね‼︎お母さん、もう泣かないわ。柚が頑張るんだから、お母さん、もっと頑張らなくっちゃね!」 そういうと、柚の頬に優しくキスをした。

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