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第140話 孝司との出会い ②
「みんな、堀内さんは院長先生とお話があるの。だからわがまま言ったらダメですよ」
「え〜〜」
清美の言葉に、子供達は不満の声。
「ここでは私も人気者ですね。でも、ごめんね。先に院長先生とお話があるんだ。だからと言ってはおかしいけど、今日はおじさんの代わりに、遊んでくれるお兄ちゃんをを連れてきたよ」
「え⁉︎どこどこ?」
子供達は目を輝かせて、その人物を探すと、堀内は1人の少年を手招きした。
「孝司、こっちに来なさい」
すると、背が高く、艶やかな髪に優しげな眼差しの中学生ぐらいの青年がやってきた。
孝司と呼ばれた青年は、堀内に似てとても素敵だ。
「父さん、そんな話、僕は聞いてませんが…」
孝司が少し呆れ顔で堀内を見ると、
「言ってなかったからな」
堀内は悪戯っぽく笑う。
「そういことだから、孝司。頼んだよ」
そう言うと堀内は清美と院長室へ向かった。
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