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第142話 蜘蛛と巣と蝶 ①
東総合病院にある個室で、柚は眠り続けていた。
「もうそろそろ起きてもいい頃なのに、まだ目覚めない…」
「そうだな…。もう3時間も寝続けている」
学と和臣は寝続けている柚を見た。
つい数時間前、死にそうになっていた人とは思えないような寝顔。
「もう少し様子を見てみよう」
「そうだな」
和臣と学が話し合っていた、そんな時
「‼︎」
「‼︎」
柚の顔を見ていた和臣と学が驚き、目を見開く。
なぜなら、
「‼︎柚くん……泣いてる?……」
学が柚の寝顔を覗き込んだ。
そこには眠ったまま、切なそうな、悲しそうな表情で眠る柚の目尻から、大粒の涙がポロポロと流れ出していた。
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