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第172話 蒼の寝坊 ④ ーー蒼sideーー

効果が長い新しい抑制剤に変えた事。 1日3錠、6時間空けないとダメなところを、一晩ですでに3錠飲んでしまった事。 案の定、伊吹は決まった時間通りに薬を飲まなかった事を心配して怒りだし、蒼が『大丈夫』と言えば言うほど、心配で泣きそうな顔になる。 本当は夜中に伊吹のフェロモンが出ていた為に蒼は薬を飲んだのだが でも、ここで伊吹の薬の事は言わなかった。 話したら伊吹のことだ。 自分も飲むと言い出すはずだから… これは俺のわがままかもしれない。 でも伊吹に負担はかけたくないんだ。 そんな時、甘い香りがふわっと香り出す。 これは… この香りは伊吹のフェロモン! 蒼は伊吹を見つめたが、伊吹は心配そうにするばかりで、自分からフェロモンがでできるとは気がついていないようだ。 蒼の頭がふらふらしだす。 それは伊吹の甘い香りからなのか、 薬のせいなのかわかはない。 ただ言えることは、 『このままでは、伊吹を守れない』 蒼が薬を飲みすぎたことに怒っている伊吹に蒼は、 「ごめん。でも本当に、もう大丈夫。それより今日の講義は一回ぐらい休んでも大丈夫だから、もう帰ろ」 蒼は自分の荷物と伊吹の荷物を片付けだした。 「どうして?」 伊吹が聞くと、 「伊吹、少しだけだけどフェロモン出てる」 蒼は言った。

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