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第176話 記憶 ③ ー伊吹sideー
「い、伊吹…?」
蒼はいつもの伊吹と、あまりに違いすぎて驚き、目を見開く。
「蒼…してくれないの?」
「っつ‼︎」
伊吹は蒼の首にキスマークを付ける。
おかしい…
伊吹はこんなことしない。
伊吹から誘ってくれることはあっても、恥ずかしがって、もじもじしてるだけで、こんなに積極的じゃない。
どうして…
蒼は冷静に考えようとするが、伊吹のフェロモンで考えがまとまらない。
考えようとすればするほど、
伊吹のフェロモンに酔いしれていき……
膝の上に跨る伊吹を抱き上げると、体が勝手にベットに向かう。
ダメだ‼︎
今、抱いたらダメだ‼︎
そう思うが、
「好きだよ、伊吹…」
口では、そう囁き、伊吹をベットの上に座らせる。
「俺も好きだよ、蒼。蒼の好きにして…」
伊吹は蒼の瞳を見つめながら、わざとゆっくり服を脱ぎ始める。
そして全て服を脱ぎ捨てると、その姿に釘付けになっている蒼の首に腕を回し、自分の身体を蒼にピタッとくっつけ…
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