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第195話 秘密のお菓子パーティー ② ー伊吹sideー

「伊吹お兄ちゃん、なんだか嬉しそう」 「嬉しいよ。だって俺、蒼の事大好きだから」 伊吹は満面の笑みで来夢を見ると、 「いーなー。僕も『運命の番』と会いたいな。パパがね、ママと出会えたのは『運命で、奇跡なんだよ』っていつも言ってるもん」 まだ会ったことのない来夢の両親の惚気話を間接的に聞いて、伊吹は幸せそうな来夢一家を想像してしまう。 なんて可愛い家族なんだろう。 俺もそんな家庭もちたいな。 蒼と… 俺と蒼は『運命の番』じゃないけど、一緒にいたらなれるかな? 運命の番みたいな関係に… 俺がオメガになったら、蒼との間に来夢くんみたいに可愛い子供が生まれたりするのかな? うわぁ! 一人で想像してしまった‼︎ 恥ずかしい‼︎ でも、そうなったらいいな。 「蒼お兄ちゃんと伊吹お兄ちゃんの結婚式は、僕もよんでね」 「け、結婚式⁉︎」 1人、ニヤニヤしたり、恥ずかしそうに頬を真っ赤にしたり、忙しそうな伊吹をみて来夢がニッコリ微笑む。 「え?だって伊吹お兄ちゃんはお嫁さんになるんだから、ドレス、着るんでしょ?」 「ドレスぅ⁉︎」 来夢の『ドレス発言』に驚きすぎて、伊吹の声が裏返った。 「ボクお絵かき上手なんだ。だから、伊吹お兄ちゃんのドレスはボクがデザインする‼︎」 来夢は手に持っていたクッキーを口に放り込むと、急いでスケッチブックと鉛筆を手に取り、伊吹を見ながら描き出す。 「え⁉︎嬉しいけど、俺ドレス⁉︎…できればタキシードがいいな〜」 って、俺、蒼の承諾得ずに勝手に結婚する事にしてるけど… 「大丈夫!伊吹お兄ちゃん可愛いから、絶対ドレス似合うよ。お姫様みたいなふりふりドレスがいい?」 ふりふりドレス⁉︎ お姫様⁉︎ ……。 無理‼︎‼︎ 「できればふりふりなしで…お願いします…」 伊吹は自分がフリフルお姫様ドレスを着ている姿を想像してしまい、自分自身に対してのドン引き顔で来夢を見つめる。 「えー…、絶対似合うのに…。でもデザイナーとして、伊吹お兄ちゃんの気持ちを大事にしないとダメだし……。ちょっとまってて…」 来夢はタブレットを持ち出し、 「結婚式、ドレス」 と音声検索をかけ、さまざまなドレス画像を出した。 「ねぇ、どんなドレスが好き?ボクはこれが好き!」 えーーーー‼︎‼︎ 今選ぶの⁉︎ 困惑する伊吹を尻目に、さながら結婚式スタッフがドレス画像を見せるように、来夢は伊吹にドレスを勧め…… お菓子パーティーから、結婚式打ち合わせのような夜が過ぎて行った。

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