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「すごい、いい体してますね」 「そ、んな……っあ、誓くんだって、やっ」 「それに、経験ないって聞いてましたけど、随分反応がいいような……」  複数人で使用しても持て余すくらいの広いシャワールーム。縦長の鏡と向き合うように立たされた聖は、背後に立ってぴったりくっついている誓の手によって、全身を優しく撫で回されていた。 「ほら、ちゃんと立って、前見て」 「あ……んッ」  後ろから優しく抱きしめられてから、左右の乳首をぎゅうっと引っ張られる。聖はくぐもった声を上げてから、言われた通りに体勢を整え直した。  両手は頭の後ろで組んで下半身ではガニ股を作って、シャワールームなので当然全裸のため、どんなに恥ずかしくても陰部は隠せないような格好にされている。  体中に触れられるたびに、びくびくと震えて姿勢を崩しかける。そんな聖を叱るように乳首に負荷をかけ、ちゃんとした服従のポーズを取り直させられている状態が続いていた。 「ふふ、それにしても本当にエッチな体ですね……こんなに立派な筋肉ついてて綺麗な体で、上から下まで毛がないんですもんね、エロいなあ」  誓の言う通り、腋も下生えも、どこもかしこも処理をしている。学生時代からの習慣なのだが、毛のない状態が常になっていて、聖からしてみたらなにもおかしいことではないのだが、こうやって口に出されると羞恥心でいたたまれない。 「……っひ、ぃ……や、そんなとこ、舐めないで」 「本当に嫌だったら、事前に決めてたNGワード言ってくださいね」  聖の嫌という言葉はあっさり聞き流され、誓の腋舐めがひたすら続けられる。  先程からずっと勃起状態が続いているのも辛い。背面に立っている誓にも、きっと鏡越しに見えているはずだった。 「まあ、嫌そうには見えないですけどね」  聖は顔を赤らめて俯く。すると、鏡に映る誓の指先が、胸元から陰部へ向けてするすると下降していく様子を、視界の端で捉えた。下腹部を摩られてから、完全に反応してしまっているものをそっと握りこまれる。 「……完勃ち、してる」  ――やっぱり、気付かれていた。  唇をきゅっと噛み、さまざまな感情を消し去ろうとするも、すぐに追い打ちをかけられる。 「こんなに立派なの持ってるのに、こうやって掘られにきたわけですもんね……しかも特殊性癖持ち」 「や、あ……っ」 「先っぽぐりってしただけなのに、ガマン汁だらだら。あ、違うかな、腋舐められて勃っちゃった?」 「……んっ」 「書いてくれてた希望のプレイは、あとでいっぱいしてあげますからね。これはとりあえずのウォーミングアップということで」  わざわざ二人きりでシャワールームにこもっている当初の理由を思い出すと、聖の顔色がわずかに曇った。 「聖さんのアナル、きれいにしていきましょうね」 「……本当に、する?」 「うん、だって未経験って書いてたんで」 「セックスの経験がないだけで、その……後ろは、ふつうに使ったことが……」 「自分で準備出来るよ、って?」  訝しむ眼差しの誓に対して、聖はこくりと頷き返す。  洗浄に関しては、もともと聖ひとりで行うつもりだったのだ。そもそも自慰をするときに使っているから、そういった処理を全く理解していないわけでもないし、そこに関しては全くの初心者ではない。だからこそ、シャワーを浴びるタイミングで済ませようとしていたのに、なぜか誓が一緒にシャワールームに入ってきた。  入ってすぐにどうして、と聞いたときに、洗浄の手伝いをすると返され、そこから若干の憂鬱さがあったのだ。 「……ダメですよ、こんな格好で人に洗浄される恥ずかしい所を、ちゃんと自分で見届けないと」 「ンっ……」 「考えただけで興奮しちゃった?」 「ち、がっ、あ」 「体は正直ですよね、聖さんのここはこんなに素直なのに」 「あ、アっ……!」 「じゃあ始めていきますね、リラックスしてくださいね」 「やだ、や、ぁ、あ~~~ッ!」

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