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「――ッゔ……!」  ベッドのシーツに両手を縫い付けながら、腰を引いて思い切り打ち付けた。ずっと動きのなかった結合部の刺激に、聖は悲鳴を上げる。  それからすぐに、激しい抜き差しが開始される。陰茎が全て出てしまうギリギリまで抜かれて、思い切り奥を突き刺されて。 「っお゙、ぉ゙お゙♡ん゙っ、ぐッ♡」  舌を噛まないように、口を開けたまま快感に耐えるので精一杯だった。 「あ゙っ、あああ゙あ゙っ♡は、ん゙っ♡」 「こんなに気持ちよさそうなのに?」 「お゙っ、ほ、ぉお゙お゙お゙~~~ッ♡♡♡」 「聖さん、聞いてます?」 「きいてる、きい゙っ、てるゔっ♡」 「本当に?」 「ん゙っ♡お゙ぉ~~~っ♡おおおおお゙、っ♡♡♡」 「聞いてないじゃん」 「ごめ、ん゙っ♡なさい゙、ン゙ん゙ッ♡♡♡」  両手を掴んでいることにより、聖がベッドヘッドの方へ上がっていくのを防ぎながら、最深部をずんずんと攻め立てていく。対話を求めているようで、聖に話をさせる気を一切感じさせない動きだった。  だらしなく喘ぎ続けている聖になにかを察したのか、誓が刺激のパターンを変更した。激しい抜き差しをやめて、浅い部分だけを素早く擦り上げられる。それはそれで気持ちよくておかしく喘いでしまう聖だが、先程よりは多少の余裕が生まれる。 「ねえ、俺で良くないですか? そんなに好みじゃない? Sで思い切りいじめてくれて、自分と同年代……ここまでは当てはまってるでしょう。それなら、ガタイの良さが足りない? 聖さん好みに鍛えればいい? それとも顔がだめ?」 「あ゙、ちが……っ」  伏し目がちに自嘲しながら早口になっていく誓に、思わず口を挟んだ。  誓に悪い部分なんて微塵もない。顔も体も、プレイの内容も、なにもかもが好みなのだ。ただただ、職業バレしている相手にこれ以上自身を曝け出すことが恥ずかしいのと、誓にこれ以上ハマりたくない。ただの、聖のわがままなのだ。 「ちが、くて……誓くんのことは、むしろ好きで、っ」 「え、じゃあなんで俺を指名するの嫌がったんですか」 「それはその、誓くんのことを、好きになってしまいそうなのが、怖くて」 「はあ? 尚更意味わかんない、この前好きって伝えたじゃん。いいじゃん、好きになって」 「それは、営業のようなものだと、思って……」  苛立った表情のまま、誓が動きを止める。 「そんなわけない、俺本当に聖さんのことが好きで……体操のおにいさんになった初日に、エンディングでジャンプのタイミング間違えちゃったとことかも可愛いし、どんなコーナーでも全力でこなしてるとことか、子どもたちへの接し方とかフォローの仕方とか、もう存在自体がすごく好きだし」 「いや、えっと」 「聖さんの担当を任されて、カウンセリングシートで名前見たときにあれって思って、部屋の中に聖さんがいたときにはビックリして、どうにかしないとって思ったし」 「誓くん、落ち着いて……っ」 「とにかく聖さんの全てが、本当に好きなんです。聖おにいさんとしてお仕事してる姿も、ここに来ていやらしく喘いでる姿も、なにもかも。これでも信じられない? 好きになるのが怖い? 俺、聖さんのこと好きですけど」  誓の物言いに圧倒されると同時に、こんなにも思ってくれることが嬉しくもあった。  自分も、誓に溺れてしまっていいのだろうか。ドキドキしながら、相手の表情を窺う。挿入しているとは思えないほど、真剣な眼差しがそこにあって、聖は思わず吹き出してしまう。それからすぐに「ごめん」と小さく謝って、同じく真剣に返した。 「本当は今日も指名したかったし、IMに来るのは最後にしようと思ってた。俺に会いに来てくれて、こうやって伝えてくれて、ありがとう」

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