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 映画館で一度射精して、ホテルに来てからは数え切れないほどの絶頂を迎えた。窓際で射精して、恥ずかしいポーズといやらしい言葉で嬲られて、そのまま複数回。その後、ベッドに移動して、玩具や誓の指先で存分に快感を引き上げられた。何度も達しすぎて、最後の方には無色の液体を陰茎から吐き出していた。  ふだんから鍛えており、それなりに体力に自信のある聖が、もう少しも体を動かせないと思ってしまうほどに疲労困憊していた。ベッドにごろんと寝転がる聖の体を、適度な湯温で濡らしたタオルで拭いていく誓。後始末をさせてしまうこと自体、申し訳なくて仕方がなくて、でも体を動かすことが出来ず、聖は静かにされるがままになっている。  誓の手によって、いっぱい気持ちよくしてもらいはしたが、聖はまだ満足出来ていなかった。  自分は散々絶頂させられたが、この日、誓からの挿入がなかったのだ。  ――この前は挿れてくれたのに、今日挿れてくれないのはどうしてなのか。  挿れてほしいとおねだりしようか悩みもしたが、体力的に限界だった。それに、黙々と誓が片付けを進めているため、そんなおねだりをする空気でもない。 「よし、気持ち悪いところとかないですか?」 「……うん、ありがとう」 「疲れたと思うんで、少しゆっくりしててください。明日休みって言ってましたもんね、聖さんの予定的に問題なければ、このまま寝ちゃってもいいですし」 「ん……」  本当は寝たくない。もっと誓と話をしたいし、なんでここまできて挿入をしないのかとか、どうして自分のことを好きだと言ってくれるのかとか。聞きたいことがいっぱいあった。  しかし、そんな思いに反して、聖の瞼は重力に逆らえずに、ゆっくりと落ちていく。  ああ、目が覚めたら、ちゃんと聞こう。少しだけ、と聖はそのまま眠りについた。

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