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恋のはじまり☆3
***
───そして、夕刻。
やって来ました、コンビニに。
『どの子よ?』
『えーと、ほら・・!今、レジにいる・・・』
『ん?』
3人で、店の外から覗くと・・・、
『お前・・あれ、どうみても50代・・・』
『ちっがーう!』
中野の怒声に続き
パンっといい音がして、頭に衝撃が走った。
『隣のレジだわっ!アホ!』
『ああ・・・隣、ね』
あー、びっくりした。
今、流行りの熟女好きなのかと思ったぜ・・・!
『ああっ!今日も可愛い!』
『わ~、ホントに可愛いっ!』
『えー、どれどれ・・・?』
お、ホントだ・・・・。
ん?
って、んん・・・?
『なぁ、あれ・・・・』
『何だよ、晃っ!まだ、なんかあんのか!』
『ん~、いやぁ・・あれ・・・女の子・・・・?』
『──は?はあ?何 言ってんだよ!
どっからどう見ても女の子だろーが!』
『ん~、んー・・・?でもぉ・・・』
『晃のアホ!アホ!アホ!』
『だから、なんで3回言うんだよ!』
『うるさい!アホッ!』
『アホじゃないっ!』
『アホだよっ!』
2人で言い合っていると、
遊が痺れを切らしたように、
『ね、中に入ろ?』
と、俺たちの腕を掴んで、入り口に向かう。
男2人なのに、遊に引きずられながら店内へ・・・
『いらっしゃいませー』
中野の想い人が声をかけてきた。
うーん
声は・・・女の子・・・だなぁ。
あ、見た目も
でも・・・なんか、
なーんか引っかかるんだよなぁ・・・
3人で、その女の子の立つレジが まっ直線に見えるパンの棚に行き、パンを物色するフリをしながら チラチラと姿を窺う。
『晃ぁ、どっから とー見ても女の子じゃん』
『うーん・・・』
『ああ~もう!・・・な、遊は どう思う?』
煮え切らない俺の態度に痺れを切らした中野が
遊に問う。
『え~?んー、どうかなぁ・・・。
見た目は・・・女の子だよね・・・』
『え?なにその微妙な返しは!』
遊の曖昧発言に、中野が目を剥いた。
『え~、だって・・・晃くんが・・・』
『アホは関係ないじゃんっ!』
『誰が アホだ!』
『お前だよっっ!』
ギャーギャー言い合っていると・・・遊が動いた。
『晃くん、中野くん!僕、パン買ってくる』
と、一言。
パンを手に レジに歩いて行く。
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