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恋のはじまり☆6
『マジ・・・?』
『うそ・・・』
顔を見合わせる俺と遊。
中野は・・というと・・・
あんぐり口を開けたまま固まっていた。
相当ショックだったのだろう・・、
心ここにあらずって感じで。
まぁ、そりゃそうだろうな・・・
別に、好きでもなんでもなかった俺でも、
結構ショックだったし・・・
『あの・・・な、中野くん、大丈夫・・・?』
遊が声をかけるが、反応なし。
完全に石化している。
いや、石火っていうより・・・燃え尽きた・・・灰?
うーん・・・
今、強く風が吹いたら、コイツ
さらさらと消えてしまうんじゃんじゃなかろうか・・
『あ、晃くん!ど、どうしよう・・晃くんっ・・・!』
遊がおろおろ、困り果てている。
『う、うーん・・・・』
どうしようと言われても・・・
・・・どうしよう?
好きになった女の子に会うために、
毎日コンビニに通って、
顔見知りになって、
告白して・・
そんで、告白したら
相手の子が・・・
女装した男だったんだよな?
男・・だったんだよ・・・ね?
男だった・・・
男・・・・・
『ぷっ・・・・』
ダ、ダメだ!
色々 考えてたら・・なんか・・なんか・・、
おかしくなってきた・・・。
笑っちゃダメだ、俺――っ!
中野に悪いだろっ!
耐えろ!俺!
でも・・・・!
『くっく・・っ・・・・』
ごめん、中野!
笑って ごめん!
面白くて ごめん!
友達思いじゃなくて ごめんーっ!
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