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恋のはじまり☆7

『あ、晃くん・・・っ?』 呆然と立ち尽くす中野と、 突然 笑いだした俺を交互に見ながら、 どうしていいか分からない様子の遊。 笑ってはいけない状況で、1度 笑ってしまうと どうにも止められなってしまった俺は 本当に心から悪いと思っているのに、 こみ上げてくる笑いを押さえられなくて・・・ 『ごめ・・っ!・・くくく・・・っ・・』 『なんで笑ってるの・・晃くん!もうっ!』 『だから・・ごめんって・・・あははは!』 と、その時・・・爆笑する俺に中野が気づいた。 『あーきーらー』 握った拳をブルブル震わせながら振り向く。 『・・・っ!』 怒ってる! すげー顔して 怒ってるっ・・・! でも・・・・・・・・・ 『ご、ごめーんっ!・・ぶっ、・・あははは!』 『っっ!!てめぇ・・・っ!』 中野が青筋を立てて、俺を睨む。 怖い・・っ! 怖いんだけど・・・ おかしいっ!! 『あははははははっ!』 『こらっ!』 『晃くんっ!ダメだよー!』 『あははははははっ!』 止まらない。 止まらないよーっ! 誰か、止めてぇ───っっ! 『てめぇ!このやろうっっ!』 『──わっ!』 俺に突進してきた中野はそのままの勢いで 俺の胸ぐらを掴んで締め上げる。 あ、ヤバ・・・ 本気で怒らしちゃった? 『ご、ごめん!ごめんな??』 一応、謝ってみたものの中野の怒りはおさまらず 今度は俺を前後にブンブン振り回しながら叫んだ。 『くっそ!ふざけんなよ、てめぇ! な―んで、もっとハッキリ 言ってくんなかったんだよ──っ!』 『・・・・・は?』 ・・・ハッキリ? 『な・・・・何を?』 『何を?じゃねぇよ!! お前が、もうちょっと!ちゃんと! あのコが男だ!って言ってくれてたら・・! 俺は・・、俺は・・・っ、俺はっ!うわーん!!』 え? えーと・・・ 怒ってるの・・・そこなの? 笑ってたとこじゃなくて・・・ そこなの?

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