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恋のはじまり☆14

───でも、 遊と交流を始めて 舞い上がっていた気持ちが落ち着いてくると 誰にでも見せる 穏やかに笑うその顔が・・・ 本当の笑顔ではなくて、なんだか取って付けたようなものであることに気づいてしまった。 あの、悲しそうな胸が潰されそうな笑顔・・・とは また違うけれど、 俺が見たいのは、こんな顔じゃない。 笑ってほしい。 ・・・笑ってほしい。 本当の笑顔を見せてほしい。 公園で、学校で、 ずっと見つめるだけだった1年と数ヶ月。 なんで、こんなに目を奪われるんだろう。 なんで、こんなに心が惹かれるんだろう。 なんで、こんなに・・・ いくら考えても分からなくて。 モヤモヤする気持ちをどうにかしたくて。 『それって、恋じゃない?』 なんとなく、友人に話してみたら そんな答えが返ってきた。 俺が篠宮に・・・・恋してる? 恋・・・・・・ そうか。 これが、恋・・・ その言葉が ストンと俺の胸に落ちてきた。 パズルの最後のピースがはまったような、 そんな感じで 隙間なく、ぴったりと。 そっか・・・・ 好き、なんだ。 俺、篠宮の事が好きなんだ 俺、篠宮に恋してるんだ 気持ちが分かったら、もう止められない。 はやく気持ちを伝えたくて、 好きだって言いたくて、 放課後の教室で、告白した。

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