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恋のはじまり☆25

遊に連れられて、着いたのは空いた教室だった。 『あ、あの・・・遊?』 教室に入るなり手を離して、 そのまま黙りこんでしまった遊。 怒ってるのか、 泣いているのか・・・ 俯いたその表情からは読み取れない。 『ゆ、ゆー・・・』 反応なし・・・ どどど、どうしようっっ! よし。も1回・・・・! 『ゆ、ゆー・・・・・?』 うー、反応・・なし・・・(涙) どーしよーっっ! これ・・・、どうしたら いいのー? 『ゆ・・・ゆ・・・・ゆぅ~・・・・・』 困り果てた俺・・・。 情けない声が出る。 すると─── 『ふ・・・・っ、ふふ・・・』 なにやら くぐもった声が・・・・・ 『・・・・ゆ・・・?え?遊?』 『あはは』 わ、笑ってる・・・? え? なんで? あまりの状況に、ポカンとしていると・・・ 『・・・反省した?』 『・・・は・・・・、え?』 さっきまでの暗い表情は、嘘のように消え 悪戯っぽく笑う遊。 『聞かれちゃったものは どうしようもないし ワザとじゃないから いいんだけど・・・ でも、やっぱり恥ずかしいから反省してね?』 『────は、はい!』 『あとね?』 『う・・、は、はい!』 『実はね?』 『・・・・・・・・・??』 遊は、持っていたカバンをゴゾゴソ 大きな包みを取り出した。 『今日は、お弁当、作っちゃったんだ♪』 『は・・、へ?・・・・え?』 聞けば、お昼休みに中野と会うのが恥ずかしかったから・・・らしい・・・けど。 『中野くん・・・今日は見ないからいいかって思って 食堂に行ったんだけど・・・・ 考えてみたら、食堂でお弁当 広げるのも恥ずかしいよね?! だから、逃げて来ちゃった♡』 えへへ、と はにかむ遊。 あー、そうかぁ。 って、・・・そう? 手作りのお弁当って恥ずかしい・・・のかな? 俺は、見せびらかしたいけど? 遊が、作ってくれたんだよー、って。 そう言うと、遊は また嬉しそうに笑ってくれた。 よ、よかったぁ・・・・・ 怒ってなくて・・・・・

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