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甘い生活…?☆21

* * * 晴臣・side * * * 『よし、着いた。』 『・・・え?』 着いた? って、・・・ここ、どこ? 目の前に見えるのは、 俺の契約したアパートよりも立派なマンション。 デカい・・・すっげー・・・ 何階あるんだ、ここ? 『ここに用事?』 『ああ』 英道が車を降りる。 へー。 こんなマンションに 知り合いでも住んでんのかな・・・? 俺は、待ってた方がいいのかな? すぐ済むって言ってたもんな。 俺が降りないでいたら 英道は助手席に回ってきて、ドアを開けた。 『何やってんだ。降りろ。』 『へ・・・・?俺も・・・?』 『ああ。一緒に来い。』 『あ・・・、うん。』 有無を言わさぬ言い方に、慌てて車を降りた。 英道は俺の手を引いて 迷いなく 慣れた足取りでマンションに向かって歩いていく。 俺も一緒でいいのか・・・。 俺も知ってる人・・・? ───ま、いいか。 どんな感じか見てみたい気もするし。 エレベーターに乗って、5階で降りて・・・ 廊下を歩く。 そして、ある部屋の前に来ると ポケットから鍵を出して・・・開けた。 『え?鍵 持ってんの?───って・・・、うわっ!』 そのままグイーッと引っ張られ、 俺も その部屋の中に入れられてしまう。 『───ってて、・・・・・・?』 部屋は真っ暗で 静まり返ってて・・・誰もいないらしい。 英道が、勝手知ったるって感じで 廊下の灯りをつけて さっさと中へ入ってから 俺を振り向いた。 『お前もほら、早く 靴 脱いで上がれよ』 ・・・その顔は 何か企んでるように笑っている・・・ ように見えた。

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