338 / 761
甘い生活…?☆24
* * * 晴臣・side * * *
『誰が、バカだ!』
『ハル。』
英道が俺を指差す。
『・・・・・・・っ・・・』
だーかーらー!
バカはお前だっつーの!
(ついでに指を指すなっっ!!)
悔しくて、キッと睨み付ける
けど・・それを跳ね返す英道の目力に
次の言葉が出てこなくなる。
英道は俺の顎から手を離し、
両手を俺の腰に回してきた。
俺の体が勝手に ビクッと強ばる。
大分、慣れてきたとはいえ・・・
こういう状況だと、少し・・・・怖い。
そんな俺に、お構いなしに英道は続ける。
『自立なんてーのはなぁ、
別に俺から離れなくても出来るんだよ。
要は、気の持ちようだ、気の。』
気の持ちようって・・
そんな軽く言うなよ・・・。
『だから・・俺は・・
お前に甘えてるのが・・・イヤで・・・・』
『俺が お前を甘やかすのは 俺がそうしたいからだ。
俺の自己満足なんだから
お前が気にする事じゃない。』
『そ・・・・・れは・・・』
『それになー。
なんだよ、ここ何日かのお前の態度。』
『え?・・な、なに・・?態度・・・?』
『もうな?顔に分っかりやすく
“ 寂しいですー ”、って書いてあんだよ!
今日だって遊と出かけるって言って俺から逃げただろ?
で、さっきも引っ越し先の自分のアパートに
近づきゃ近づくほど分っかりやすく落ち込んでよぉ。
そんで、俺が寄り道する、って言った時の嬉しそうな顔!隠す気あんのか、おめーはよ!』
『・・・・・・ぐっ・・・・、そ、それは・・・っ!』
『それは?』
『・・・それは・・っ・・それ・・・・は・・・・』
『なんだよ・・・それは?言ってみ?ほら』
『・・・・っ・・・。』
『ホントは寂しいんだろ?俺と離れるの。』
『・・・・・・っ・・。』
『ほれ、言ってみ?ほらほら』
『・・・・・・・・っ』
く、くっそぉ・・・・!
ああ!もうっ・・・!!
そうだよ!そのとおりだよっ!
悪かったな!
『認める気になったか?』
『・・・・・・っ・・・・』
認めるもなにも・・・・
全部 分かってるんだろーが。
悔しい・・・・
──にしても
なんで、コイツは・・・。
俺を甘やかすんだ・・・
なんで俺の気持ちを分かってて
俺を離してくれないんだ・・・。
そして・・・
なんで、俺は・・
そうされるのが
こんなに・・・こんなに 嬉しいんだ。
俺の気持ちを知ってるのに邪魔されて・・・
悔しいのに・・・
近くにいたら
また甘やかされるって分かってるのに・・・
なのに・・・・
なんで こんなに・・・
泣きそうなくらい
嬉しいんだ・・・・
ともだちにシェアしよう!