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甘い生活…?☆26

* * * 晴臣・side * * * 夕飯はここで食べる、と予想していたらしい 英道は用意周到に お弁当を買っていた。 お弁当といっても、コンビニやスーパーのものではなく、仕出し料理屋の高価なヤツだ。 こんなとこでも甘やかしやがって・・・。 美味しいから文句は言わないけどさ。 滅多に食べることのない豪華な料理に、 どんどん箸がすすむ。 『うまーい!ありがと、英道! これ、結構 高かっただろ??』 『ん?あー、それな 薫から だ。』 『薫・・・・?薫・・・、薫・・・・?聞いたこと・・あるな・・ えーと・・・・・、あ、あー!分かった!! 店長さんか!晃のバイト先の!』 『そうそう。』 ん? 晃・・・・・? 『あっっ!!そういえば・・・晃だっ!! アイツ、なんであんな事になってたんだよ?』 すっかり忘れてた事を聞くと、 英道は鼻をポリポリかいて・・・ 何を思い出したのか、ふはっと吹き出した。 しばらくは待ってたけど・・・ 英道の笑いは止まらなくて・・・ 『おーい。いつまで笑ってんだよー! 教えろよー、もう いいだろー?』 痺れをきらして、問い詰める。 『あはは。あれな・・・、はは。 実は・・俺の部屋の荷物 運ぶの手伝ってもらったんだ。 くくっ。でも、アイツ・・・体力も 力もなくってさー。 最後は、よたよたになってて・・・ははは!』 余程おかしかったのか、英道にしては珍しく 顔をくしゃくしゃにして笑い始める。 『荷物って・・・。』 ・・・そりゃ そうだよな。 だって、今朝 俺がいた時には あっちの部屋にあった物が、 全部、見事に こっちに揃ってるもんな。 それにしても・・・ 『あの短時間で・・・しかも、2人で? よく運んだなぁ・・・・』 『ん~?ふふん。お前は知らないだろうけど 見えない所にあったモンはちょっとずつ地道に こっちに運んでたんだ。お前の荷物のついでに。』 『ふ、ふーん・・・・』 知らなかったのは俺だけ・・って事か・・ 恐ろしいヤツ・・・・ 『今日も薫と、薫のしもべが何人かと プラス晃が手伝ってくれたからな。 まあ、そんなに大変でもなかったよ。』 『・・・・・・・・え。し、しもべ・・・・・? しもべって、なに?』 『アイツにゃ、アイツを慕う熱狂的な崇拝者が たくさん いるんだよ。』 『へ?へ、へぇ・・・・』 よく分かんないけど・・・・ しもべ・・・とか、崇拝者 とか・・・ 一体 どんなヤツなんだ・・・薫ってヤツは。

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