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甘い生活…?☆28
* * * 晴臣・side * * *
『おい、英道っ!コート・・・・』
追いかけると、
英道は廊下の途中で壁にもたれて待っていた。
『おー、ハル~』
なんか
ニヤニヤしてるんですけど・・・?
てか、どんだけ酔ってんだよ・・。
───にしたって・・・英道があのくらいの量で
酔うとは思えないんだけどなぁ・・・。
引っ越しで疲れてんのかな?
つーか、なんで待ってたんだ?
いつもなら さっさと行っちゃってるだろーに・・・
あっっ!!!
って ことは・・・?
外が寒いって事に気がついたな!?
バカめ!
なーんて。
口には出せないから心の中で罵る。
で、英道の傍まで行って、
「ほら!」と、コートを差し出してやる。
『ん~?いや、いらない』
・・・が、英道は受け取ろうとしない。
それどころか、コートではなく俺の腕を掴み
リビングを出て すぐの部屋のドアを開けると
俺を押し込んだ。
鼻唄なんて歌いながら。
『え!?こら!な、何すんだよっ!! 』
『まあ、いーからいーから。入れっ♪』
『はぁ!?なんでっ!?』
『いーもんあるからっ!入れっ♪』
こーのー 酔っぱらいが・・・!!
暗い・・・っ!
いいモノって…なんだよ・・・!?
また、ドンッと、強く押され・・・、
部屋の真ん中辺りによたよたと進んだ。
『・・・・・・・・・?』
暗がりに目が少し慣れてくると、
ベッドとか、棚とかが置いてあるのが
ぼんやり分かる。
普通の部屋じゃんか・・・!
ここになんの面白いモノがあるっていうんだ!
俺は、早く帰りたいんだよ!
自分のアパートにっっ!!
───とは、(やっぱり)口に出しては言えなくて、
心の中で悪態をつきまくっていると・・・
『はい。点灯~♪』
と、後ろから英道のふざけた声が・・・。
ああ・・・っとにもう!
どうでもいいから早くしてくれ・・・!
──パチン、と音がして部屋の灯りがつく。
明るくなった部屋を見渡す・・・
あり得ない光景に・・・俺は、言葉を失った。
な、なんで・・・
1Kの俺の部屋が・・・・
そっくり、そのまんま・・・
ここに あんの??
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