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甘い生活….?☆29

* * * 晴臣・side * * * なにこれ・・・ 目の前の光景が信じられなくて 何度も目を ごしごし擦ってみる けど、 消えない・・・ 今度は、目を閉じて深呼吸して・・・ ゆっくり・・・目を開け、瞬きを繰り返してみる けど、やっぱり目の前に見えるのは・・・・・ 俺の部屋・・・だ・・・・。 『な、なんで・・・・・?』 布団がベッドに変わってたり、 布団カバーやカーテン、本棚も 新しい物になってたりはするけれど、 レイアウトはそのまま・・・ 前の部屋がワープしてきたの? って思うくらい ここは、紛れもなく、間違いなく、どうみたって 俺が住んでた部屋そのもの。 『え・・お前・・・これ・・・』 『いやー、大変だった♪』 『・・・・・・は!? いや、“大変だった♪”じゃねーよっ! なんで俺の荷物が そっくりそのまんま ここにあるんだよっっ!』 『えー。そりゃ~、俺がここに運んだから~♪』 『・・・・はあああぁ!?いや、そーじゃなくてっ! なんで ここに・・・・・・』 ───はっ! 待て待て待て! 待って?! ここに荷物があるって事は・・・ 俺が契約したアパートはっ・・・・!? 悪びれた様子もなく、ヘラヘラ笑っている英道は 『ああ、あれ。解約した♪』 あっさり言い放った。 『は、はあっっ?!』 『不動産屋のおじさんに “2人で住むことになったから解約しまーす♪” って言ったら、快くOKしてくれてな? こっちの部屋も紹介してくれたんだ~♪』 『な・・・っ!?あのじじぃ・・・っ!そんな事 一言も・・・ つーか!なに勝手な事してくれてんだっ!』 『ん~?・・・さっきも言っただろ~? お前が好きにするんなら俺も俺の好きにするって。』 『はあ!?はあ!?ア、アホか・・お前・・・!』 『アホじゃねーよ』 スッと真顔になった英道が、どんどん近づいてくる。 『・・・・・・っ』 マ、マズい・・・っ!! 思わず後退りしたら、壁際に追い込まれてしまった。 なんとなく逃げなきゃ・・・と、 横に身をよじって離れようとしたけれど、 俺の動きよりも早く、 英道の手がドンッと壁に叩きつけられた。 反対に行こうとすると、また壁に手が・・・・ 英道の両手が壁にあるせいで挟まれた俺は 身動き出来なくなった。 『お前・・・・俺から逃げられると思うなよ?』 『べ、別に・・・逃げてなんか・・・』 『逃げてんじゃねぇか、今も』 『・・・・・・っ・・・』 ギラリと、真剣な目で睨まれる。 『俺から逃げようなんて100年はえーんだよ。』 『に・・逃げないって・・・・』 『また逃げたら、監禁するからな。』 『・・・かっ、監禁・・っ・・?! お前な、それは犯罪・・・っ・・・』 『んなこたぁ分かってんだよ』 ドンッ! 壁に打ち付けられる拳。 『・・・・・・っ・・・』 『なぁ?覚悟しろよ?』 そう言って、黒い笑みを浮かべた英道に 鼻先をペロリと舐められた。

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