372 / 761
贅沢な悩み☆2
*** 晃・side ***
『遊は初めてだよな?──着いた、ここだ。』
『わ・・!立派なマンション!・・高そう。』
マンションが見えると
思わず・・って感じで、ポロっと本音が漏れる遊。
『ははは。1馬力じゃ ちょっとツラいけどな。
ハルと2人だから。』
『あ、そっか・・・。2人だもんね。』
『そーそー。2人だから♪』
嬉しそうだな、新見さん。
無茶な事してまで手に入れた
念願の2人暮らしだもんな。
んー。
新見さんは楽しそうだけど
晴臣さんはどうなんだろう・・・?
車を駐車場に停めてから、エントランスに向かう。
そんな事を考えながらエレベーターに乗ると
あっという間に2人の住む階に着いた。
あー・・・なんか思い出すな・・・
何度も何度も、上がって下りて上がって下りて
引っ越しの荷物を運んだ事・・・
やっと治った腰がまた痛くなった・・・気がする。
それにしても
ホント、スゴいこと思いついたもんだよな・・・。
勝手に引っ越し先を変えちゃうとかさ。
それほど好きなんだよなぁ、晴臣さんが。
──って、俺も負けないくらい好きだけどね!
遊が。
『ふふっ、晃くんたら。』
『・・・・・・ん?』
クスクス笑っているのは、遊。
何事かと思ったら、
『百面相してる・・・。』
『ん?・・・あ。』
色々、考えてたから・・・・。
照れ隠しで、へへ、と、遊に笑いかける。
遊も笑い返してくれて、2人で笑っていると・・・
「ただいまー」と、新見さんが
部屋のドアを開けるのが目に入った。
ともだちにシェアしよう!