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贅沢な悩み☆4
*** 晃・side ***
廊下を進み、奥のドアを開けてリビングへ。
前は、黒が基調だったけど、今は木の色・・・
というかナチュラルカラーな家具が増えてて
部屋全体が明るくなった感じがする。
『あれ?家具、買い替えたんですか?』
『ん?いや?リメイク。』
───リメイク!!
詳しく聞けば、板を貼ったり、ペイントしたり
晴臣さんのイメージで変えてみたらしい。
やっぱ、カッコいい!!
さすが新見さんっっ!
1週間前に来たときと比べると
様変わりした部屋に感心していると、
晴臣さんがコーヒーを淹れて運んできてくれた。
『あの・・・どうぞ////』
俯きがちで俺たちと目を合わそうとしない晴臣さん。
よく見ると・・・まだ、顔が赤い。
『・・・・晴臣さん。』
『なななな、何だよ///?』
もうちょっと、からかってやろうか・・
と、思ったんだけど。
でも、予想以上に照れまくっているのを見ると・・
なんかもう可愛くて。
からかうのは やめにして、
お土産に買ってきたケーキの箱を渡す。
『・・ケーキです。どうぞ。』
『・・・・っ!ケーキ!ありがとー!!』
さっきまでの照れはどこへやら。
ケーキの箱を受け取った途端、
ばぁ──っっ!と顔が明るくなって、
キラキラした目で、俺を見つめてくる。
急に子供に戻ったみたいで・・・笑える。
そう思ったのは俺だけじゃなかったようで。
『色気より食い気か。やっぱ、ガキだな。』
『────!』
新見さんの言葉に、はっとした晴臣さんは、
ぐるんと向き直って新見さんを睨みつけて、
ビシッと言い放った。
『ガキじゃない!俺は若いんだっ!』
ああ。
(それ、前にも聞いた)
やっぱ晴臣さんは晴臣さんだ。
変わってないや。
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