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贅沢な悩み☆15

* * * 新見・side * * * 部屋に入り、晃をベッドの方へ投げ飛ばす。 『ぶっ・・・・・・っ!!』 見事に顔面から着地した晃は、ふがふが 言いながら、もがいていたが・・・ 『ぶはぁ・・・っ!』 漸く、顔を上げて涙目で俺を見る。 『に、新見さ~んっ!ヒドいっ!!』 『うっさい!男なら潔く諦めろ。』 『えぇ~・・・でもぉ・・・』 『でもじゃねぇ。 てめぇ、これ以上 騒いだり、 この部屋から出ようとしたら 明日、留守番させるからな? それでもいいのか?あ?』 『ええぇっ!?それはヤです! 行きます!行きたいですっっ!! 』 『だったら、もう寝ろ。 おとなしく、お利口に。』 『う・・・うぅ・・・っ・・・は・・い。・・ぐすっ・・』 しくしく泣きながらも、素直に布団に潜る晃。 布団の中から嗚咽が漏れてくる。 そんなに泣くほど一緒にいたいのか・・ まあ、健気っちゃ健気・・・・か? うーん。 ハルならともかく コイツ(あきら)だと ひとつも可愛くないな。 うん。 やっぱり、アイツ(ハル)の可愛さは別格だ。 なんて思いながら 俺もベッドに入って目を閉じる───が、 まだ ぐずぐず泣いている晃が鬱陶しくて 眠るどころではない。 『お前なぁ・・・1日くらいガマンしろよ。』 『う・・・、す、すびばせん・・・・・』 ・・・・・・・は? ああ、すみません、ね。 『ハルとなら、何の心配も要らないだろーが。 とって喰われるワケでもあるまいし。』 『そ、そういう心配じゃないんですけど・・』 『じゃあ、なんだよ。』 『はい・・えーと・・・・なんかいうか・・・ 一緒にいないと・・心許ないっていうか・・・ 自分が自分じゃないような・・・ 何かが 足りなくて、変な感じなんです・・・。』 『・・・・ん?なんだ、それ。』 『う・・・なんか・・・よく分かんないんです・・・・』 『はぁ・・・そうは言ってもなぁ・・・。 まあ、今日はもう諦めろよ?』 『うぅ・・・はい・・寝ます。おやすみなさい。』 『おう。おやすみ。』 若くて、初めての恋、か。 ・・・・・・青いなー。 想いあってる気持ちの強さは凄いけど・・・ 危なっかしい恋してんな・・・。 もし、どちらかに なんかあったら・・・・・・ 2人とも潰れるんじゃないか・・・・。 なんて 他人に興味のない俺が柄にもなく心配になる。 もしかしたら・・・・・・・(アイツ)も・・・・・・ この2人に何かしら感じるモノが あるのかもしれないな・・。 (アイツ)が見返りもなく無償で 遊園地のチケット渡すとか まず、あり得ねーし。 チラッと晃を見ると・・・ あんなに グズってた癖に もう既にスヤスヤ寝息をたてていた。 『・・・・・・・・・。』 ───(コイツ)も 小物なんだか、大物なんだか・・・。 ・・・・・変なヤツ。 とりあえず静かになってよかった。 目を閉じると 妙な疲れていた俺は すぐに、深い眠りに引き込まれていった・・・。

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