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贅沢な悩み☆21
* * * 晴臣・side * * *
次に目が覚めたのは、走る車の中だった。
どこだ、ここ・・・?
と、キョロキョロ周りを見渡すと・・・
隣には、運転している英道。
『え?・・・あれ?』
『やっと起きたか・・・・。』
『あれ?いつの間に・・・。』
『おはよー、晴臣さん。』
『あ、遊・・・。』
『えへへ。僕もさっき起きたんだ。』
照れくさそうに笑う遊。
英道はチラッと俺を見てわざとらしく
溜め息を吐く。
『・・・ったく、早く寝ろって言ったのに。』
『ごめん・・・。』
『晃なんてなー、あんだけ文句言ってた癖に
ものの5分で ぐーすか寝たんだぞ?』
『え・・・・。』
・・・マジで?
人の事、ボロかすに言っといて?
5分で寝たの?
早くね?
首を捻って、晃を見るとバッチリ目が合った。
すると後ろの席で、身を乗り出して 騒ぎ始める。
『ちょっ・・それ言わなくてもいいでしょ!』
『いーや。言う。』
『晃・・・・お前ってヤツは・・・。』
呆れて、晃を見ると・・・
何故か俺には攻撃的で。
『うるさいな!
寝れたんだから、しょーがないだろっ!?』
カッチーン
むむ。
・・・開き直るって、どういう事だ。
しかも、タメ口だし。
ここは1発、シメてやらねば・・・!
と、口を開いたその時・・・・
『あはは。晃くんってば面白~い♡』
パチパチ
遊が、晃に向かって拍手している。
───ゆ、遊?
なんで、そこで喜んでんの・・・!?
『だーかーら!なんで遊は晃に甘いんだっ!』
『ふふっ、なんでかなぁ。』
『愛、だよね。愛!』
『そうだねー。愛だねー。』
『ははは!見たか!愛の力を!!』
『・・・・・・・アホか。』
───アホらし。
アホ を相手にするのは やめよう。
後ろ向いてたら、酔いそうだし。
でも、悔しいから もう1度 晃を睨んで
前を向き、楽な姿勢になるように座り直した。
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