392 / 761

贅沢な悩み☆22

* * * 晴臣・side * * * ・・・今どこら辺なんだろう。 寝こけていて、 ワガママは言える立場じゃないけど・・・  お腹すいた・・・・・・ 『ハル。これ・・おにぎり。腹、減ったろ。』 そんな俺の心情を察したのか、 英道がホイルに包んだモノ・・・・ おにぎりを3つ、渡してくれた。 『うわーっ!ありがとー♪♪あ、遊は?』 『あ、僕はもう食べたよ。』 『そっか。あと、どんくらい?』 聞くと、ナビを見ながら英道が答える。 『・・・あと15分くらいかな。』 『そっか・・・結構 寝てたんだな俺。』 申し訳なく思いながらも、空腹には勝てない。 おにぎりを頬張って周りの景色を見ていると 遠くに観覧車が見えてきた。 『あ!観覧車!』 『もうちょっとだな。』 『わー、観覧車だぁー。楽しみー。』 『いっぱい廻ろうな、遊。』 『うん!』 なんてはしゃいでたのは、ここまで。 『うげー。全然、動かないぃー。』 『混んでるな・・・。』 車は、遊園地の近くで大渋滞にはまっていた。 クリスマスは終わったとはいえ、 冬休みに入っているから 家族連れとか多いんだろうなー。 『まぁ、確かに。 どっちかって言うと 子供向きのところだからなぁ、ここ。』 『え・・・そうなの?』 『うん。行った事はないけど、 昔 人から聞いた話ではな。』 『ふーん。』 後部座席の2人を見れば、マップを広げて どれに乗るか、楽しそうに話している。 子供向けとか なんとか この2人には 関係なさそうだな・・・。 ☆ ☆ それから、少し進んで止まってを繰り返し どうにか園内へ。 駐車場に車を停めて 中に入れたのは、30分は経ってから・・・だった。 『あー、やれやれ。やっと着いたな。』 腰を伸ばしながら歩く英道。 その腰を擦りながら 『運転 お疲れさま。・・・ありがとな。』 お礼を言うと、英道は一瞬、驚いた顔をして・・・ それから嬉しそうに笑って、俺の頭を わしわし撫でてくれた。 『おう。疲れが吹っ飛んだ。行くか!』 『うん!』 『晃くん、行こ?』 『うん。』 よっしゃ! さあ、楽しい時間の始まりだー!!

ともだちにシェアしよう!