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贅沢な悩み☆22
* * * 晴臣・side * * *
・・・今どこら辺なんだろう。
寝こけていて、
ワガママは言える立場じゃないけど・・・
お腹すいた・・・・・・
『ハル。これ・・おにぎり。腹、減ったろ。』
そんな俺の心情を察したのか、
英道がホイルに包んだモノ・・・・
おにぎりを3つ、渡してくれた。
『うわーっ!ありがとー♪♪あ、遊は?』
『あ、僕はもう食べたよ。』
『そっか。あと、どんくらい?』
聞くと、ナビを見ながら英道が答える。
『・・・あと15分くらいかな。』
『そっか・・・結構 寝てたんだな俺。』
申し訳なく思いながらも、空腹には勝てない。
おにぎりを頬張って周りの景色を見ていると
遠くに観覧車が見えてきた。
『あ!観覧車!』
『もうちょっとだな。』
『わー、観覧車だぁー。楽しみー。』
『いっぱい廻ろうな、遊。』
『うん!』
なんてはしゃいでたのは、ここまで。
『うげー。全然、動かないぃー。』
『混んでるな・・・。』
車は、遊園地の近くで大渋滞にはまっていた。
クリスマスは終わったとはいえ、
冬休みに入っているから
家族連れとか多いんだろうなー。
『まぁ、確かに。
どっちかって言うと
子供向きのところだからなぁ、ここ。』
『え・・・そうなの?』
『うん。行った事はないけど、
昔 人から聞いた話ではな。』
『ふーん。』
後部座席の2人を見れば、マップを広げて
どれに乗るか、楽しそうに話している。
子供向けとか なんとか この2人には
関係なさそうだな・・・。
☆
☆
それから、少し進んで止まってを繰り返し
どうにか園内へ。
駐車場に車を停めて
中に入れたのは、30分は経ってから・・・だった。
『あー、やれやれ。やっと着いたな。』
腰を伸ばしながら歩く英道。
その腰を擦りながら
『運転 お疲れさま。・・・ありがとな。』
お礼を言うと、英道は一瞬、驚いた顔をして・・・
それから嬉しそうに笑って、俺の頭を
わしわし撫でてくれた。
『おう。疲れが吹っ飛んだ。行くか!』
『うん!』
『晃くん、行こ?』
『うん。』
よっしゃ!
さあ、楽しい時間の始まりだー!!
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