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贅沢な悩み☆23
* * * 晴臣・side * * *
車は あんなに渋滞していたのに
園内はそれほど混んでなかった。
英道の言うとおり、
小さな子連れの家族が多くて
絶叫マシーンなんかは並んでる人は まばで
これって結構ありがたい。
ラッキー♪
『よーしっ!何から乗る?』
『やっぱ1番人気のあるヤツ行こー!』
『うん。』
着いたのは、
とにかく でかくて長い人気のジェットコースター。
ものすごい高さを登って・・・急降下。
それからも捻って一回転してまた捻ってと・・・
結構 怖そう。
さすがに1番人気だけあって30分待ちだったけど
絶対 乗りたいからって
晃と遊とも話し合って、並ぶことにした。
話しながら待ってると あっという間に順番がきて
いざ乗れるって とこまできて・・・
英道が列から外れてしまった。
『俺はいいや。3人で行ってこい。』
『えぇー?なんで?』
『下で待ってるから。』
『え?乗ろうよ!』
『いや、いい。』
何故か、乗り気じゃない英道。
はっ・・・!
さては・・・・
『お前・・・・怖いんだな?』
『──ああ?違うわ。嫌いなんだよ。』
『嫌い?へー、そう。ふぅん、怖いんだ。』
『───てめえ。・・・分かった。乗る。』
『いやいやいや。無理しなくていいよ?』
『・・・ふん。怖くねーし。』
怖くないアピールなのか、
率先して1番前に乗り込む英道。
でも、安全バーか下りたら
『ああ!クソ!
この締め付けられんのが嫌なんだって!』
───と、ブツブツ文句を言い始める。
ん?
ホントに怖い訳じゃないのか・・・。
ガチャン、ガチャンとイヤな音を立て、
ゆっくり・・ゆっくりコースターは登っていく。
あ、堕ちる。
そへからは、あまりの怖さに
ギャーキャー叫んで、
目も つぶってしまって
英道も景色も見るどころではなく・・・・
気がついたら終わっていた。
『こ、怖かった・・・』
『マジか・・・スゲーな、これ。』
係員に促されて、降りようとするが
膝がガクガク笑ってしまう。
英道の膝は笑ってない・・・てコトは
ホントに怖いワケじゃなかったってコト・・・
(←ちょっとショック)
そんな俺を英道が支えてくれて
やっとの思いで階段を降りて
近くのベンチに へたりこんだ。
周りを見ると、俺と似たようなヤツが
同じようにベンチにへたりこんでいる姿が
ちらほら見えた。
『大丈夫か?』
『うん・・・てか、英道は・・大丈夫なんだな・・・。』
『だから、そう言ったろ。
俺は、あの固定される感じがイヤなだけ。
お前とは違うんですー。』
『ああ・・・そ。』
・・・・悪かったな。
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