395 / 761

贅沢な悩み☆25

* * * 晴臣・side * * * 顔を上げると、女の子の2人連れがいて その内の1人が 何でだか 赤い顔をして モジモジ 体をくねらせながら 英道に話しかけていた。 英道も 何でだか ニコニコと、その子を見ている。 ────ムカ。 なんで笑ってんだよ! 英道のヤツめっ!! 『あのっ!何か用っっ!?』 『あの~、よかったら一緒に廻りません?』 俺を無視して女の子は英道に話しかける。 ─────ムカムカッ! うぐぐ・・・・! 逆ナン? これって、逆ナンてヤツですかぁ~? ムカつく~!! 『廻りません!』 英道が答えるより前に、 割って入って俺が叫ぶと・・・ 英道に話しかけていた子ではなく、 もう1人の女の子の方が 英道には見えないように俺を睨み付けてきた。 『あら、弟さんかしらぁ? ボク、ちょっと黙っててね?』 『・・・・・・・・・・・・は?』 弟さん? ボク!?だとぉ?! ───ムカムカムカ!! なんだ、コイツらっ!! 『ふはっ!』 『─────っ!!』 ────ムカムカムカムカッ!! 何故、そこで笑う!英道!! 腹が立って英道にも文句を言ってやろうと 思った、その時 『ごめんね。こいつ、弟じゃないし。 君らと廻る気もないから。』 英道が やっと 口を開いた。 『え~?』 『なんでですか~?』 『はは。答える義務ねぇし。 ───つーか、消えて?』 冷たい その一言に、 みるみる顔色の変わる女の子たち。 『なっ、何よそれっ!』 『もしかして・・・ホモっ!?』 『キモッ!死ね!』 『ホモやろう!バーカ!』 豹変した女の子たちは とても女の子とは思えない口汚い言葉を 代わる代わる浴びせ 足音も高らかに去っていった。 『ほ、ほぇー。怖っ・・・。』 『ハル、歩けるか?もう行こう。』 『あ、うん。』 『しかし、弟さんかぁ。』 『うるさい!、ヘラヘラしやがって!』 『だから、ちゃんと断っただろ?』 『う・・・・うん////。』 『行くぞ。』 そう言って、手を差し出され・・・ 俺は ためらわず その手を握った。

ともだちにシェアしよう!