396 / 761
贅沢な悩み☆26
* * * 晴臣・side * * *
───そして、お昼。
『あー、面白かったー♪』
『楽しかったねー♪』
晃と遊が待ち合わせの場所にやって来た。
『あれ?晴臣さん・・・』
『まだ具合 悪いの?』
ここは、レストランが並ぶエリア。
ちゃんとした食事が出来る店もあるけど、
ハンバーガーやクレープなど、軽食の店も
あって なかなか魅力的な空間
・・・・のハズなんだけど。
軽食用の外のテーブルに突っ伏している俺に、
遊が心配そうに近寄ってきた。
『大丈夫・・・?』
『・・・・・・・・・。』
答えずにいると、英道が苦笑混じりに答える。
『ああ・・・大丈夫 大丈夫。
ちょっと・・あ、かなり?拗ねてるだけ。』
『拗ねてない!』
ガバッと顔を上げると英道は
いつの間に買って来たのか
クレープを俺に差し出してきた。
『ほれ。お前の好きなチョコバナナ。』
『・・・・・・!』
───クレープ!
チョコバナナ!!
『うわー♡ありがとー♪♪』
『ふふん。機嫌 直ったな。』
『・・・・・・あ/////』
───くそぉ・・・。
英道とは口きかないつもりだったのに・・・!
『で、ハル?メシは何食うんだ?』
『メシッ!ハンバーガー!!』
──クレープおいしー♡
お腹すいたし、もういいや!
・・・ここは 昼メシ優先!!
『はいよ。買ってくるから待ってろ。』
『はーい♪』
早速、クレープにかぶりつく。
口の中に広がる甘さに・・・
幸せも一緒に噛み締めていると遊が隣に座ってきた。
『ん?遊、メシは?』
『晃くんに頼んだ。』
『・・・ふーん。』
『で・・・、何を拗ねてるの?』
『拗ねてない!』
『・・・じゃあ、ホントに具合悪いの?
またアトラクションで酔った訳じゃないよね?』
『う・・・・。』
ま、本気で隠すほど、
大したことじゃないんだよな・・・
俺の気持ちの問題であって。
『・・・笑うなよ?』
そう、前置きをしてから
遊に話すことにした。
ともだちにシェアしよう!