397 / 761
贅沢な悩み☆27
* * * ~回想~ 晴臣・side * * *
調子が戻った後は
なんだかんだで英道も俺につきあってくれて
色んな乗り物に乗った。
怖そうだったり酔いそうなのはやめたけど。
────ただ、
どこへ行っても、
何に並んでても、
しまいにゃ歩いてるだけでも
何故なんだか、やたらと
女の子に声をかけられる英道。
中には、迷って場所を尋ねてきただけの人や
" 写真を撮って欲しい " って
カメラを渡してきた人も何人かいたけど、
あとは、ほぼナンパ。
そんなに話しかけやすい顔なんだろうか、
こいつの顔は。
確かに、まぁ男前だとは思うけど・・・。
女の子の目に写る英道がどう見えてるか、
なんて・・・俺には分からないだけに
なんだか面白くない。
全部、断ってくれるからいいものの・・・
やっぱり、面白くはない。
『・・・そろそろ昼だな。』
『じゃあ、もう行こっか。』
『ああ。』
遊たちとの待ち合わせ場所に向かおうと
歩き出した時だった。
また、女の子・・・今度は3人組が俺たちに・・
いや、英道に向かって来るのが見えた。
『あの~、○○さんですか?』
言われたのは、そこそこ有名なイケメン俳優の名前。
『違いますよ。』
『えぇー!?似てるって言われません?』
『・・・・まぁ、たまに。』
『えー? 違うんですか?ホントに?』
キャイキャイ騒ぐ3人組。
どいつもこいつも そうなんだけど・・・
俺の事はガン無視なのだ。
そっか、そう言われてみれば○○に雰囲気が
似てるかも。
そいつもテレビで観る限り
気取らない気さくなキャラっぽいから
英道も話しかけやすく見えるのかな・・・?
だからって、俺は面白くないっっ!
『英道!行くぞっ!』
『おう。じゃあ・・・』
英道が軽く手を上げてから
俺の方へと来ようとした・・・のだけど
3人組の1人が
英道の腕を掴み、それを阻止した。
──ムッカ~ッ!
ガマンの限界にきた俺は
英道と3人組の方へとズカズカ歩いていき
英道を掴む腕を引き剥がし自分の方に引き寄せた。
ともだちにシェアしよう!