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贅沢な悩み☆28

* * * ~回想~ 晴臣・side * * * 『すみませんねえ!もう行くんで!』 そう言って、ぐいくい引っ張る。 ・・・けど、英道は動かない。 『・・・・?』 変だな、と思って 振り返ると、 3人組が英道を取り囲むようにして 反対に引っ張っていた。 女の子の1人が 俺の手を無理やり 外してしまう。 そうして、少し距離をとってから・・・・ 俺を下から上までじろじろと品定めする。 そして・・・・鼻で笑いやがった。 それはもう、バカにした顔で。 『なに・・・?あなた 誰?』 『・・・・・・・・・っ!』 コイツら~! 俺、ずっと一緒にいただろーが! 見えてねーのか!? それとも、わざとなのか!? ムーカーつーくーっっ!!! 『あのなぁ!俺は、コイツの・・・・・っっ!』 そこまで言って、はた・・・と止まる。 えっと・・・、なんだ? 俺はコイツの・・・ こい、こい、恋人・・・? か、か、か、彼氏・・・? いや、か、彼女・・・? ・・・・・なんて、 い、言えるかぁ────っ/////! 完全にフリーズした俺に英道は 3人組を押し退けて傍に来ると、 俺を後ろからギューっと抱きしめた。 『悪いけど。コイツ、俺の彼女だから、 あんまり苛めないでくれる?』 『──────は?・・か、かの・・・?』 か、かかか彼女!? な、なに言っちゃってんの!?コイツ!! 『え・・・?か、彼女?』 『ホ、ホントに?』 『わー、ごめんなさいっ!』 『は・・・・・?』 え?マジ? 俺が、女に見えんの? それはそれで、なんかムカつくんだけど。 でも、慌てた様子で頭を下げる3人組を見てると ・・・もういいか、って思った。 英道を諦めてくれるんなら もう どうでもいい。 『ハル、行こう。』 『あ、うん。』 英道が俺から離れて歩き出す。 俺もついていこうとした・・・その時、 3人組の1人が俺を追いかけてきた。 『あの!ごめんなさいね?』 『へ?あ・・・いえ・・・』 やたらと馴れ馴れしく、 ベタベタと体を触ってくる女の子。 女の子だから怖くはないけど やっぱり体を触られるのは好きじゃない。 少し体をひねって逃げても その子は体を密着させてくる。 なんだ? なんか怖いんだけど・・・・! 『な、なんですか・・・・?』 たまらなくなって聞くと、その女の子は 愛想笑いから一転、急に恐ろしい顔になると・・・・ 俺の耳元に顔を近づけてきて、 『アンタ、似合ってないから。・・・・貧乳。』 『・・・・・・・・!』 『すぐ捨てられるわよ、ふんっ!チビ!』 『・・・・・・・・!!』 そう言い捨てると、勝ち誇った顔を そのは仲間の元へと走っていった。

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