398 / 761
贅沢な悩み☆28
* * * ~回想~ 晴臣・side * * *
『すみませんねえ!もう行くんで!』
そう言って、ぐいくい引っ張る。
・・・けど、英道は動かない。
『・・・・?』
変だな、と思って 振り返ると、
3人組が英道を取り囲むようにして
反対に引っ張っていた。
女の子の1人が
俺の手を無理やり 外してしまう。
そうして、少し距離をとってから・・・・
俺を下から上までじろじろと品定めする。
そして・・・・鼻で笑いやがった。
それはもう、バカにした顔で。
『なに・・・?あなた 誰?』
『・・・・・・・・・っ!』
コイツら~!
俺、ずっと一緒にいただろーが!
見えてねーのか!?
それとも、わざとなのか!?
ムーカーつーくーっっ!!!
『あのなぁ!俺は、コイツの・・・・・っっ!』
そこまで言って、はた・・・と止まる。
えっと・・・、なんだ?
俺はコイツの・・・
こい、こい、恋人・・・?
か、か、か、彼氏・・・?
いや、か、彼女・・・?
・・・・・なんて、
い、言えるかぁ────っ/////!
完全にフリーズした俺に英道は
3人組を押し退けて傍に来ると、
俺を後ろからギューっと抱きしめた。
『悪いけど。コイツ、俺の彼女だから、
あんまり苛めないでくれる?』
『──────は?・・か、かの・・・?』
か、かかか彼女!?
な、なに言っちゃってんの!?コイツ!!
『え・・・?か、彼女?』
『ホ、ホントに?』
『わー、ごめんなさいっ!』
『は・・・・・?』
え?マジ?
俺が、女に見えんの?
それはそれで、なんかムカつくんだけど。
でも、慌てた様子で頭を下げる3人組を見てると
・・・もういいか、って思った。
英道を諦めてくれるんなら もう どうでもいい。
『ハル、行こう。』
『あ、うん。』
英道が俺から離れて歩き出す。
俺もついていこうとした・・・その時、
3人組の1人が俺を追いかけてきた。
『あの!ごめんなさいね?』
『へ?あ・・・いえ・・・』
やたらと馴れ馴れしく、
ベタベタと体を触ってくる女の子。
女の子だから怖くはないけど
やっぱり体を触られるのは好きじゃない。
少し体をひねって逃げても
その子は体を密着させてくる。
なんだ?
なんか怖いんだけど・・・・!
『な、なんですか・・・・?』
たまらなくなって聞くと、その女の子は
愛想笑いから一転、急に恐ろしい顔になると・・・・
俺の耳元に顔を近づけてきて、
『アンタ、似合ってないから。・・・・貧乳。』
『・・・・・・・・!』
『すぐ捨てられるわよ、ふんっ!チビ!』
『・・・・・・・・!!』
そう言い捨てると、勝ち誇った顔を
その女は仲間の元へと走っていった。
ともだちにシェアしよう!