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贅沢な悩み☆32
* * * 晴臣・side * * *
午後からは、4人でいるからか、
英道が愛想笑いをやめたからか、
声をかけられるのも ほとんどなくなって、
色んなアトラクションを廻って楽しむ事が出来た。
久しぶりに ゴーカートなんかにも乗ったりして・・・
英道は窮屈そうだったけど、
競争したら晃が暴走して・・・・
よそ様のゴーカートにぶつかってしまい
みんなで慌てて頭を下げたり
アクシデントもあったけど、楽しくて。
一通り廻って、満足した俺たち。
帰りも時間がかかるし、早めに出ようって
話になって、最後は やっぱり定番のアレだ!
・・・・と、向かったのは、
来るときに車の中からも 見えた大きな・・・
『観覧車~♪』
───そう。観覧車♪♪
これは絶対 乗らなきゃなっ!
まだ、時間が早いからか 並ばずに すぐに
乗る事が出来た。
もちろん、乗るのは2人ずつ。
『じゃあ、後でな~!』
──と、遊と晃に手を振って先に乗り込む。
英道も後から入ってきて、俺の向かい側
・・・・ではなく、隣に腰かけてきた。
『え?・・・隣?』
『ん?・・・当然♪』
片方に寄ってると斜めになりそうな気がして
ちょっとイヤかも・・・って英道に言ってみたら
「アホか」の一言で返された。
まぁ、そうなんだけどさぁ・・・。
密着感がすごくて、恥ずかしくて
なんとなく自分の足元を見つめていると、
『お、だいぶ上ったな。』
と、英道が呟く。
『え?あ、ホント!!』
下を歩いてる人が、小さく見える。
なんだか人形みたいで面白い。
『たまには いいな。遊園地も。』
『・・・お前がナンパされなきゃな。』
チラッと英道を見て、言ってやる。
『あのなぁ・・・・・』
呆れたように、俺の頭をガシッと片手で掴んで
ぐるぐる回す。
『お前は気づいてなかったけどなー?
ヨダレ垂らした男どもがお前を狙ってたんだぞー?
俺が睨んで追い払ってたんだから感謝しろ。』
『は・・・・・・?』
ちょっと待て!
俺は・・・男に狙われてたのか?!
っていうか、それって
俺が女に見えたんだろうか。
ふ、複雑・・・・。
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