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中野くんのその後☆1
『クリスマスなんてクソくらえだー!』
───くそぉ。
周りを見ても、どこもかしこもカップルばっか。
どいつもこいつもイチャイチャしやがってぇぇ!
ふんっ、だ。
どーせ俺は独りだよ。
彼女いねーよ。
いつもは俺につきあってくれる篠宮先輩も
さすがに今日は彼女さんと過ごすだろうし、
・・・・晃と遊は論外だし。
他のダチも、彼女いない組はバイトいれてて
分かち合える仲間がいない・・っ・・!
『あーあ。
俺も見栄張らないでバイト
いれときゃよかったな~。』
家にいても、つまらないから・・・って、
外に出てきたけれど・・・・
外に出ても なーんも楽しくない。
どいつもこいつもイチャイチャしやがってぇぇ!
全世界のカップルめ、爆発 ぜろ!!
ちくしょーめっ!!
『あー、虚しい・・・・』
もう いいや。
コンビニ行って、なんか買って 帰ろう。
1人でパーティーだ!
ははは!
ちょうど目の前にあったコンビニに入る。
『いらっしゃいませ~。・・・あ!』
『あ・・・?・・・げっ。』
レジにいたのは、少し前に俺から告白して
見事にフラれた相手・・・・。
見た目は女の子、中身は男の子!
────の、
あの 強烈ふりふりコンビニ店員だった。
あちゃー、
あのコンビニじゃん、ここ~!
なんで思い出さなかったんだ、俺は。
『あー、ども。こんばんは・・・・』
『おひさしぶりでーす。』
『はぁ・・・・・・』
『あれから全然 来なくなっちゃったから
心配してたんですよー?』
『はぁ・・・・・』
───って、来れるかよ。
フラれたんだぞ? 俺。
コイツに。
見た目は女の子だけど・・・男に。
そこまで心臓強くねーわ。
くそ・・・・。
とりあえず、酒のつまみを 何個かかごに放り込んで
隣のレジに並ぶ。・・・でも。
『お次にお待ちのお客さま、どうぞ~。』
『・・・・・・・・クソ・・・。』
ツいてない時は、とことんツいてない。
呼ばれたから、仕方なくアイツのレジへ
かごを持って行く。
会計を済ませて、さっさと帰ろうとすると、
『あの!』
と、呼び止められた。
『はあ?なんスか?』
『あの、ちょっと・・・待っててもらえませんか?』
『はぁ? なんで。』
『ちょ、ちょっとだけなんで!お願いしますっ!』
『はぁ・・・・・まあ、いいけど。』
『ありがとう!すぐ行きます!』
─────なんだぁ?
めんどくさい事になったな・・・・くそ。
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