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誤解と誤算★5

* * * 晃・side * * * え? ええ? 遊・・・・? なんで・・・・ なんで そんな悲しい顔・・・ 『晃くんは・・・その方が・・・いい?』 『え?』 『晃くんは・・オモチャ使った方が・・いいの?』 『え?いや・・・俺は・・・』 『僕・・・・頑張ったのに・・・・』 『え?』 『頑張った・・・のに・・・』 か細く震える声で遊が呟く。 俺はというと びっくりしすぎて、 何も出来ずに呆然とするだけ・・・ ────と、 みるみる遊の目に涙が溜まっていって 収まりきらなくなった涙は まるで、ダムの決壊のような勢いで ボロボロと零れだした。 『ふ・・・っ、うっうぅ・・・っ・・・』 『・・・え?・・・ゆ、ゆう・・・っ?』 大粒の涙が、俺の顔にも降り注ぐ。 『うー、うぅー、う・・・ぅ・・・・っ・・』 『え?ごめん!ゆー、どうし・・・・・』 『うわーんっ!あき・・っ、晃・・くん・・・の・・っ・・・ 晃くんの・・・っ、ばかぁーっ・・・・・っ!』 突如、俺の上から飛び降り クローゼットを開けた遊は、 オモチャたちが入った紙袋を掴んで窓を開け ・・・外へ放り投げた。 『───っ!!え?・・・ええっ?! ゆっ・・・、ゆー?』 『ぐすっ・・・、晃くんのばかぁーっ!』 もう1度、そう叫んだ遊は 猛然と部屋を出ていってしまった。 すぐに、遊の部屋の襖が バンッ!と開き、 バンッ!と閉まった音がした。 え・・・・。 泣かせちゃった・・・・ 怒らせちゃった・・・・ 俺は・・・・何を間違えたんだろう・・・ あんなに遊が泣くなんて・・・ あんなに遊を悲しませるなんて・・・・ 俺・・・・ 俺・・・・ どうしようっ!! 遊に・・・遊に・・・ 嫌われちゃったかもしれない!

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